拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2020-01-01から1年間の記事一覧

歩み -2020年-

あなたへ 間も無く、2020年が終わりを迎えます。 この1年を振り返ってみれば、 今年は、なんだかとても、 不思議な1年だったなと感じました。 あなたを想いながら過ごす時間は、 あの日から、何も変わらずに、 ゆっくりと流れる時間の中にいましたが、 視点…

引きこもり準備完了

あなたへ ここ最近の私は、連日に渡り、 買い物へと出掛け、とても忙しくしていました。 毎回、大荷物を持っての帰宅は、とても大変でしたが、 漸く、準備が整いました。 今の我が家には、冷蔵庫の中にも、棚の中にも、 あの子の好きなものが、たくさん並ん…

年賀状 -2020-

あなたへ クリスマスが過ぎ、年末へと近づいた頃になって、 漸く、バタバタと年賀状の準備をするのが、 毎年の我が家の恒例でしたが、 今年は、我が家でのクリスマスパーティーが、 早めだったからでしょうか。 今年の私は、パーティーが終わると早々に、 年…

MP3プレイヤー

あなたへ いつかのクリスマスに、 私の枕元に置いてくれたMP3プレイヤーを、 あなたは覚えていますか。 あれは、あの子が、小学生だった頃のことでしたね。 あなたがくれたプレゼントが、とても嬉しくて、 あの頃の私の側には、いつでもMP3プレイヤーがあり…

コトバ -クリスマスプレゼント-

メリークリスマス とても小さな声で そう声を掛けてみる 今夜の私の声は きっと彼には届かないだろう だって 1年の中で いちばん小さな声だもの そうして 彼には気付かれないように そっと クリスマスプレゼントを置いた 明日の朝 どうか彼の枕元に このプレ…

風の時代

あなたへ グレートコンジャンクションって知ってる? あなたのこんな言葉が蘇ったのは、先日のことでした。 あれは、いつの頃のことだったでしょうか。 あの時のあなたが、どんな話を聞かせてくれたのか、 思い出すことが出来ないままに、 私の隣から聞こえ…

私があなたに掛けるべき言葉

あなたへ 永遠を誓い合ったから、 永遠に、一緒にいられるような気がしていたよ。 それなのに、 あの時も、 あの時も、 ごめんね。 限られた時間の中でしか、 一緒に過ごすことが出来ないだなんて、 考えたこともなかったから、 そこに限りがあること知った…

クリスマスパーティー -2020-

あなたへ きっと今年も、 クリスマスパーティーに参加してくれたあなた。 ありがとう。 クラッカーを鳴らして始まる、 我が家のクリスマスパーティー。 とてもお腹を空かせていた昨夜のあの子は、 パーティーが始まるなり、もの凄い食べっぷりでした。 食欲…

コトバ -クリスマスパーティー-

クリスマスパーティーの準備を整えながら 部屋中を見回してみる もしも運命が違っていたら 今日の此処には どんな時間が流れていたのだろうかって あれから7回目のクリスマスパーティー 思えば あの頃よりも 随分 形が変わったな 住む場所が変わり あの子の…

招待状

クリスマスパーティのご案内です。 是非、来てくださいね。 日時:2020年12月19日(土曜日)19時30分より 場所:家族の部屋にて 軽装でお越しください。 先日お伝えしましたが、改めて、招待状を送ります。 今年もまた、あなたと家族3人でパーティーを過ごせ…

スタッドレスタイヤ

あなたへ スタッドレスタイヤはね 長い間は使えないんだよ お母さんのスタッドレスタイヤはね もうゴミだよ 今年のあの子は、 やけにスタッドレスタイヤについてを力説しながら、 私が持っているスタッドレスタイヤの役目は終わったのだと、 不思議な程に、…

秋の恒例行事

あなたへ 毎年の10月から11月頃のあの子が、 決まって大きく体調を崩すということに気が付いたのは、 いつの頃だったでしょうか。 我が家の秋の恒例行事は、体調を崩したあの子の看病。 気を付けているつもりでも、 夏の疲れからなのか、 気温の変化からなの…

小坊主探検隊

あなたへ あなたは、覚えていますか。 あの子が小学校に上がった頃に、あなたが始めた、 あの子と2人での自転車の旅。 それは、いつの頃からか、 小坊主探検隊と名付けられた男同士の旅でした。 探検から帰宅すると、探検日記なるものを作成した2人。 今日は…

老夫婦に憧れたきっかけ

あなたへ 私が初めて、 老夫婦に憧れを持った日のことを思い出していました。 あれは、あの子がまだ幼かった頃のこと。 仕事へと出掛けたあなたを見送ると、 あの日の私は、幼いあの子を連れて、 いつもよりも、大きな公園へと散歩に出掛けたのでした。 あの…

自らが望んでする勉強

あなたへ 子供の頃は、大人になれば、 勉強はしなくて良いのだと思っていたよ 私があの子にこんな話をしたのは、昨年の今頃の時期。 あの子と一緒に、 パソコンを買いに出掛けた帰り道でのことでした。 あの頃の私は、新しいパソコンを購入するという、 私に…

残り27日間

あなたへ 仕事を終え、会社を出た今日の私は、 まずは、大きなため息を吐き出しました。 明日は、やっとお休みだ 疲れたな って。 今日は、金曜日。 なんだか、今週が、とてつもなく長く、 そして、いつにも増して、疲れてしまったのは、 週の始まりに起こっ…

叶えてくれなくてもいい我儘

あなたへ 私ね、あなたと手を繋ぎたいの。 私ね、あなたと話がしたい。 その大きな手で髪を撫でながら、あの頃みたいに、 大丈夫だよって、言って欲しいの。 そうして、 その胸に耳を当てて、あなたの音が聞きたい。 それから、 一緒に、コーヒーを飲んで、…

ヘアサロン

あなたへ もう少し、髪が伸びたら、パーマをかけたいな こんな話を聞かせてくれたのは、この夏のあの子。 髪が伸びるのを待ちきれずに、夏の頃からのあの子は、 ヘアアイロンを使って、パーマ風の髪型を楽しみました。 あと、どのくらい掛かるかな 理想の髪…

初めてのトラブル

あなたへ 今日は、朝から事件がありました なんて言ったら、あなたは驚くでしょうか。 今朝も、いつも通りに家を出て、 車に乗り込み、会社へと向かった私ですが、 運転し始めて、暫くが経つと、違和感を感じました。 なんだか、ハンドルが取られるような、…

食欲の大波

あなたへ 話に聞いていた男の子のよく食べる時期。 あの子にも、そんな時期がやって来たのは、 昨年の冬の頃のことでした。 あの頃の私は、 これが、先輩の言っていた男の子の食欲というものか などと、とても感心しながら、 たくさん食べるあの子を眺めたの…

天寿

あなたへ 交通事故に遭っても、 仕事中に、大怪我をしても、 一旦は、救急車で運ばれながらも、 必ず、その日に帰って来てくれたあなた。 ネックカラーを巻かれていたり、 包帯を巻かれていたり、 痛々しい姿ではありましたが、 夜になれば、私たちは、必ず…

映画館

あなたへ 夏に、映画やるんだね 3人で、観に行こうね こんな約束をしたのは、あの年のことでした。 いつの頃からか、 あの子が大好きなアニメの映画を、家族3人で観に行くことが、 恒例行事となっていた我が家ですが、 今後のあの子の成長を想像しながら、 3…

日常の中に見つけた素敵な景色

あなたへ 私の職場が、今の場所に移転してから、 7年が経ちますが、 今朝の私は、通勤ルートから見える、初めての景色を見つけました。 それは、とても大きな銀杏の木。 秋色に色付いたその姿には、 思わず、目を奪われるものがありました。 一度、見つけて…

後悔しない子育て

あなたへ 後悔しない子育てなんて、ないと思うよ これは、いつかのあなたの言葉です。 しっかりと手を繋ぎ、 真っ直ぐに前を向いて歩んでいたあの頃の私たちは、 それまでの道のりを、 ゆっくりと振り返ることは、あまりなかったけれど、 時に、2人で真剣に…

ネクタイ

あなたへ あの子が高校生の頃に着ていた制服の、 ネクタイを手に取って、思い出していたのは、 高校生になる、ほんの少し前のあの子のことでした。 制服が手元に届き、 これからの新しい生活の始まりの日を、とても楽しみにしながら、 嬉しそうに、制服の試…

不思議な朝

あなたへ あなたの夢を見ました。 あなたのすぐ側で眠る夢でした。 夢の中のあなたと、 何か、言葉を交わしたはずですが、 その言葉を思い出すことが出来ないままに、 とても穏やかな気持ちで、 あなたの側で眠ったことだけを、よく覚えています。 あなたの…

あなたが遺した最後のなぞなぞ

あなたへ あなたが入院していた頃に書いていたノートを開いたのは、 あなたが息を引き取った日のことでした。 あの子と一緒に、ページを巡れば、 やがて見つけたのは、あなたの想い。 自分の人生に、後悔はない ただ、遺した人が、 この先、どんな人生を送る…

我が家のクリスマスパーティー

あなたへ 今日の私は、 クリスマスパーティー用のチキンの予約に行ってきました。 今年は、張り切って、例年よりも、少し早めの予約です。 あの子と、クリスマスパーティーについての話をしたのは、 先日のことでした。 あの子の成長に合わせて、日にちをず…

前を向くための儀式

あなたへ 今朝の私も、いつも通りに目が覚めて、 今日も、昨日の続きを生きることが出来ました。 昨日の私は、元気がなかったけれど、 今日の私は、元気を取り戻して、 また、前へ歩みたいという気持ちを胸に抱きながら、 1日を無事に過ごすことが出来ました…

電池切れ

あなたへ あーあ・・・ あーあだよ!もう! 帰宅してからの私の、こんなため息混じりの大きな声は、 あなたのところまで、聞こえてしまったでしょうか。 あなたを見送り、いつの頃からか、 夢を持つことが出来た私が、 舗装のされていない、険しい道と知りな…