拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

初めてのトラブル

あなたへ 今日は、朝から事件がありました なんて言ったら、あなたは驚くでしょうか。 今朝も、いつも通りに家を出て、 車に乗り込み、会社へと向かった私ですが、 運転し始めて、暫くが経つと、違和感を感じました。 なんだか、ハンドルが取られるような、…

食欲の大波

あなたへ 話に聞いていた男の子のよく食べる時期。 あの子にも、そんな時期がやって来たのは、 昨年の冬の頃のことでした。 あの頃の私は、 これが、先輩の言っていた男の子の食欲というものか などと、とても感心しながら、 たくさん食べるあの子を眺めたの…

天寿

あなたへ 交通事故に遭っても、 仕事中に、大怪我をしても、 一旦は、救急車で運ばれながらも、 必ず、その日に帰って来てくれたあなた。 ネックカラーを巻かれていたり、 包帯を巻かれていたり、 痛々しい姿ではありましたが、 夜になれば、私たちは、必ず…

映画館

あなたへ 夏に、映画やるんだね 3人で、観に行こうね こんな約束をしたのは、あの年のことでした。 いつの頃からか、 あの子が大好きなアニメの映画を、家族3人で観に行くことが、 恒例行事となっていた我が家ですが、 今後のあの子の成長を想像しながら、 3…

日常の中に見つけた素敵な景色

あなたへ 私の職場が、今の場所に移転してから、 7年が経ちますが、 今朝の私は、通勤ルートから見える、初めての景色を見つけました。 それは、とても大きな銀杏の木。 秋色に色付いたその姿には、 思わず、目を奪われるものがありました。 一度、見つけて…

後悔しない子育て

あなたへ 後悔しない子育てなんて、ないと思うよ これは、いつかのあなたの言葉です。 しっかりと手を繋ぎ、 真っ直ぐに前を向いて歩んでいたあの頃の私たちは、 それまでの道のりを、 ゆっくりと振り返ることは、あまりなかったけれど、 時に、2人で真剣に…

ネクタイ

あなたへ あの子が高校生の頃に着ていた制服の、 ネクタイを手に取って、思い出していたのは、 高校生になる、ほんの少し前のあの子のことでした。 制服が手元に届き、 これからの新しい生活の始まりの日を、とても楽しみにしながら、 嬉しそうに、制服の試…

不思議な朝

あなたへ あなたの夢を見ました。 あなたのすぐ側で眠る夢でした。 夢の中のあなたと、 何か、言葉を交わしたはずですが、 その言葉を思い出すことが出来ないままに、 とても穏やかな気持ちで、 あなたの側で眠ったことだけを、よく覚えています。 あなたの…

あなたが遺した最後のなぞなぞ

あなたへ あなたが入院していた頃に書いていたノートを開いたのは、 あなたが息を引き取った日のことでした。 あの子と一緒に、ページを巡れば、 やがて見つけたのは、あなたの想い。 自分の人生に、後悔はない ただ、遺した人が、 この先、どんな人生を送る…

我が家のクリスマスパーティー

あなたへ 今日の私は、 クリスマスパーティー用のチキンの予約に行ってきました。 今年は、張り切って、例年よりも、少し早めの予約です。 あの子と、クリスマスパーティーについての話をしたのは、 先日のことでした。 あの子の成長に合わせて、日にちをず…

前を向くための儀式

あなたへ 今朝の私も、いつも通りに目が覚めて、 今日も、昨日の続きを生きることが出来ました。 昨日の私は、元気がなかったけれど、 今日の私は、元気を取り戻して、 また、前へ歩みたいという気持ちを胸に抱きながら、 1日を無事に過ごすことが出来ました…

電池切れ

あなたへ あーあ・・・ あーあだよ!もう! 帰宅してからの私の、こんなため息混じりの大きな声は、 あなたのところまで、聞こえてしまったでしょうか。 あなたを見送り、いつの頃からか、 夢を持つことが出来た私が、 舗装のされていない、険しい道と知りな…

あなたを見送ってからの私に見えるもの

あなたへ 先日の帰宅途中のことでした。 運転する私に見えたのは、 進行方向の数メートルほど先の歩道に立つ、マスクをした男性でした。 渡りたいのかな。 そんな気持ちから、私は、アクセルを緩めて、 いつでも停まれるようにしながら、近づいて行きました…

時代に合わせた進化

あなたへ コロナウイルスの影響により、 マスクが手放せなくなってから、どれくらいが経ったでしょうか。 不織マスクを長時間着けると、肌荒れを起こす私。 連日のマスクの着用に、肌荒れが治まらず、 ストレスを感じることも多くありました。 肌が、不織マ…

その唇を読み取ることが出来ないままに

あなたへ あれは、あなたが目を覚まさなくなってから、 どのくらいが経った頃だったでしょうか。 ICUの中。 辛かった頃の記憶が、不意に、鮮明に蘇りました。 辛くて、悲しくて、 目の前の現実を、どう受け止めたら良いのかも分からずに、 ただ、その手を握…

夕日の夢

あなたへ あなたの夢を見ました。 あなたのその姿は、見えないままに、 すぐ隣にいることを感じながら、 2人並んで、この家の窓際から、 とても綺麗な夕日を眺める夢でした。 何の言葉を交わすこともなかったけれど、 とても穏やかな気持ちで夕日を眺めてい…

あの子の作品

あなたへ あの子が小学生の頃の、工作の作品を覚えていますか。 あの子の作品に、 こっそりと可愛らしい仕掛けがされるようになったのは、 あの子が、高学年になった頃からだったでしょうか。 一見してみると、普通の作品でも、 裏から見ると、こっそりと、 …

松茸と氷柱

あなたへ うちの山の何処かに、 松茸が生える場所があるんだけれど、 親父しか知らないんだよ 一緒に山に登ったことはあるのに、 松茸が生える場所へは、 一度も一緒に行ったことがなかったな 幾つかの山を持つあなたの実家。 その何処かに、松茸が生える場…

嫌な出来事

あなたへ 先日、あの子と一緒に、外出をした時のことでした。 ちょっと、そこまで。 そんな外出でしたが、 あの日は、あの子との久し振りの外出だったにも関わらず、 少し・・・いえ、本当は、 とても嫌な気持ちになる出来事がありました。 詳細は、割愛しま…

秘密の時間

あなたへ いつか、ダンスを習ってみたい これは、幼い頃の私の夢でした。 幼い頃の私は、 音楽に合わせて、体を動かすことが好きで、 よく、音楽を掛けながら、踊っていました。 誰に教わるでもなく、 誰を真似るでもなかった自作のダンスは、 メチャメチャ…