拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

空に描かれた手紙

あなたへ あなたから、あの子へ宛てた手紙を見返していました。 これは、あの子の部屋の大掃除で見つけた、いつかの幸せのカケラ。 何度読み返しても、やはり、 いつ、どんな時の手紙であったのか、思い出せないままに、 この文字に込められた、あなたの想い…

新しい発見

あなたへ 高校卒業を機に、髪を伸ばし始めたあの子は、 近頃、ヘアアイロンを器用に使って、 パーマ風の髪型を楽しんでいます。 こんな髪型、どうかな あの子から、突然、パーマヘアの画像を見せられたのは、 数週間ほど前のこと。 どうだろう 全く想像のつ…

秋の気配

あなたへ 静かな公園を散歩したい 長かった梅雨が明け、連日の青空を眺めながら、 お気に入りの公園の景色を思い浮かべていたのは、 8月に入ったばかりの頃の私でした。 足の痛みに耐えられず、何処へも行けないままに、 今年の夏は、ベランダに出ては、 空…

最後の我儘

あなたへ あなたに最後の我儘を言ったのは、 夢の中でのことでした。 あれは、あなたを見送り、間も無くの頃のこと。 夢の中のあなたに、 まだこっちに来てはいけないと諭され、 あなたの側へ行くことを諦めた私は、 あなたに我儘を言ったのでした。 それな…

普通に歩ける素晴らしさ

あなたへ 足を怪我しました こんな手紙を書いたのは、5月のことでしたね。 痛みが引いては、また痛くなる。 そんなことを繰り返しながら、 裸足であれば、痛みはないけれど、 靴下や靴を履くと、激痛が走ることが当たり前の毎日へと変わっていったのは、 い…

誓いの言葉

あなたへ 病める時も 健やかなる時も 富める時も 貧しき時も 妻として愛し敬い 慈しむ事を誓いますか これは、私たちの結婚式の時の、誓いの言葉。 あの日、私の右側から聞こえたあなたの声は、 今、思い出しても、なんだか笑ってしまうくらいに、 とても大…

今できる今度の約束

あなたへ お盆が明けて、 そちら側へ帰ったあなたの楽しそうな様子を思い浮かべたのは、 昨年のお盆が過ぎた頃のことでした。 お盆のお土産をみんなで持ち寄って、 『お盆明けのパーティ』 そんなイベントがあるかも知れないなって。 あの日の私は、浮かない…

盆明けの日の温もり

あなたへ 昨夜の、少し遅い時間のことでした。 あの子と他愛もないお喋りをしていると、 突然にあの子が言いました。 あれ?お線香の匂いがする って。 私は、お線香の匂いを感じることはなかったけれど、 あの子の言葉のすぐ後に、背中がとても温かく、 あ…

静かなお盆

あなたへ 今年のお盆も、帰って来てくれて、ありがとう。 今年の我が家は、どうでしたか。 ゆっくりと、寛いでくれたでしょうか。 お盆初日から、連日に渡り、 見上げた空には、龍に似た形の雲を見つけました。 それは、 その姿が見えなくなってしまった代わ…

コトバ -幸せな人-

私は とても幸せな時間を知っている 好きな人が出来たの 友人にそう報告する直前の 胸の奥が擽ったい瞬間を知っている 好きな人からの連絡を待つ時間は なんだかソワソワと落ち着かなくて 着信音が聞こえた時には ほんの少しだけ胸の奥がキュッてなる そんな…

お盆 -2020-

あなたへ 甘い缶コーヒー 炭酸飲料 お菓子 特に、チーズ味のスナック菓子と、 アーモンドが入ったチョコレートは外せませんね。 そうそう、海老の絵が描いてある、あのお菓子も、好きでしたね。 それから、 先日約束していた、大きい缶に入ったパイナップル…

コトバ -カウントダウン-

7 6 5 4 3 2 1 0 これは誰にも話したことのない 8月8日で止まるカウントダウン 私の中に このカウンターが設置されたのは 彼が亡くなった翌年のことだった カウントダウンが始まると 私にまとわりつく夏の暑さに 息が出来なくなるような苦しさを覚える 目の…

あの頃のあなたに逢いに

あなたへ 昨日のあなたの命日は、 あの子と2人で過ごしました。 昨年も、一昨年も、あなたの命日には、家族で過ごす日として、 あの子と2人で、外出をしましたが、 今年は、コロナウイルスの影響から、家の中で過ごすことにしました。 何をしようか こんなあ…

あなたを想う日 -2020-

あなたへ いつもよりも早くに目が覚めた私は、 朝から空を見上げながら、 あなたのことを想っていました。 あなたを見送ってから、今日で6年が経ちました。 私にとって、この6年間を、 もう、と表現すべきなのか、 まだ、と表現すべきなのか、 相変わらずに…

コトバ -夏の音-2020

今年もまた夏が来たよ 待ちわびた青空を見上げながら 空の彼方にいる彼に 夏の始まりを報告する 梅雨明けの太陽が やけに眩しく感じたのは ずっと 雨や曇り空ばかりを眺めていたせいだろうか 夏の音を聞きながら 目を閉じると 彼と出会った最初の夏から順番…

短い夏休み

あなたへ 夏休み、お盆だけになるかも知れないんだって あの子から、こんな話を聞いたのは、 学校への登校が始まり、間も無くの頃のことでした。 コロナウイルスの影響により、入学式もないままに、 オンライン授業から始まった、専門学生としての新しい生活…

あなたの場所

あなたへ ねぇ、あなた これ、気に入った? 素敵だよね 色合いも、大きさも、高さも、全部、丁度いい きっと、あなたも、気に入ってくれたよね 先日からの私は、 何度、あなたにこんな言葉を掛けたでしょうか。 七回忌の法要を、行わないと決断した私たちで…

想いがあれば

あなたへ 本当なら、今年は、あなたの七回忌の法要を行う予定でした。 あなたにとっても、私たちにとっても、大切な節目を迎えますが、 私が、悩んでいたのは、コロナウイルス感染症のことでした。 非常事態宣言が解除されたのは、5月のこと。 まだまだ油断…

夏の始まりの日

あなたへ こちらでは、漸く、梅雨が明けました。 昨日までの雨や曇り空の毎日が嘘のように、 今日は、朝から、とても綺麗な青空が広がりました。 青空を眺めるのが、ただ、嬉しくて、 今日の私は、朝から何度も、ベランダに出ては、空を眺めました。 私は、…