拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

不思議な雲の形

あなたへ 眠る前に、あの公園で撮った写真を眺めながら、 そこに顔のような形の雲を見つけたのは、昨夜の私です。 あれ?この雲、なんだろうって、 ある一部分が急に気になって、拡大して見てみると、 そこが顔のように見えてしまったのです。 拡大したり、…

19年後のあの場所で

あなたへ あの日、3人で一緒に見た空を覚えていますか。 カメラの画面越し、 あの頃のあなたの瞳に映った私たちの笑顔を覚えていますか。 19年前の丁度、今日。 9月29日に撮った数枚の写真を見つけました。 暑いなって、 今にもこんなあなたの声が聞こえてき…

あの子の手

あなたへ お母さん見て? 俺の手、お父さんの手に凄く似てる こう言って、自分の手をまじまじと見つめていたのは、先日のあの子です。 手が大きくて、甲の感じはあなたに似ているけれど、指は、私似。 こんな感じで成長し続けてきたあの子ですが、 あの子と…

私たちの季節の感じ方

あなたへ ねぇ、あなた アイスコーヒーがいい?それともホット? 思わずあなたにこう声を掛けたのは、先日のことでした。 こちらでは、気が付けば随分と日が短くなって、 朝晩には、肌寒さを感じるようになりました。 この時期に迷うのは、あなたへのコーヒ…

キーパーソン

あなたへ どう生きたい? これまでの私は、 何度こんなふうに自分に問い掛けてきただろう。 私にとってのこの問い掛けは、今や当たり前のものとなりましたが、 思えば、こう問い掛けるようになったのは、 前職で共に働いていた先輩の存在がきっかけでした。 …

朝の戦いへと挑みながら

あなたへ どんなに筋肉を褒めてみても、 宥めてみても、 励ましてみても、 何をしても、なかなか目を覚まさないのは、ここ最近の朝のあの子です。 起きて?朝だよ あの子を揺すって、何度も声を掛ければ、 漸く聞こえてくるのは、あの子の小さな声。 そこに…

ヘアアイロン

あなたへ えー?またですか?嘘でしょ? 一旦は、気のせいだと思い込むことにしてみたものの、 やはり気のせいではなかったことを認めなければならなかったのは、 ヘアアイロンの調子の悪さです。 遠赤外線搭載なるヘアアイロンに嬉々としながら、 あなたへ…

初めて見た景色

あなたへ もう、この夢を手放さない。 あなたへの手紙を書きながら、 一度手放してしまった夢を、もう一度、 しっかりと抱き締めた日のことを思い出していました。 あれからの私は、小さな一歩を積み重ねながら、 ゆっくりと歩みを進めてきました。 私の歩み…

季節の匂い

あなたへ 春の爽やか風の匂い 夏の熱が溶け込んだ空気の匂い 秋の涼しい風の匂い 冬の澄んだ空気の匂い かつては当たり前の日常の中の一部だったはずの季節の匂いに、 愛おしい気持ちを抱くようになったのは、いつからだっただろう。 そこに季節の花など咲い…

7歳だったあの子が見ていた景色

あなたへ 先日のあの子が突然に、押し入れから引っ張り出してきたのは、 あの子が小学生の頃に使っていたゲーム機でした。 勉強に筋トレと、日々、忙しく過ごしているあの子ですが、 たまには息抜きにと、 突然、あの頃のゲームをしてみたくなったのだそう。…

最期に思い出すこと

あなたへ 私がこの世界を去る最期の瞬間は、 どんな景色を見ているのだろう。 私は最期に、何を思い出すのだろう。 最期に、何を思い出したいのだろう。 あなたを見送ってからの私は、 何度、自分にこんな問いかけをしただろう。 最期に思い出すのは、 大切…

運命の再会みたいな夢

あなたへ 迎えに来て あなたからのこんな電話を貰う夢を見ました。 夢の中の私は、あなたがどこにいるのかを知っていて、 急いであなたを迎えに行ったの。 私が向かった先には、たくさんの人がいたけれど、 すぐにあなたを見つけました。 だって、私には、あ…

愛しみの味

あなたへ あの味を再び感じたのは、 8回目のあなたの命日を迎えた日のことでした。 あなたを想いながら、 泣いて、 泣いて、 どんなに涙を零しても、 続く大粒の涙が頬を伝う感覚だけをただ感じて、 空を見上げていたあの日。 たくさん泣いて、ほんの少しだ…