拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

2025-05-01から1ヶ月間の記事一覧

今日の私が真剣に考えたこと

あなたへ あなたのことを考えるという夢を見ました。 あなたの夢はたくさん見るけれど、 夢の中であなたのことを考えるという夢は、初めて見たような気がします。 夢の中の私は、この人生を生きた私。 即ち、あなたとの死別を経験した、今の私でした。 さて…

長く一緒にいるということ

あなたへ 2人で一緒にいる時間が増えれば増えるほど、 あの時ごめんね、とか、 あの時ありがとう、とか、 あの時嬉しかったって、 その時に伝えることが出来なかった言葉を、 伝えられるタイミングがやって来るものなのかも知れないな。 これは、先日の私の…

あの年のお盆の記憶

あなたへ ねぇ、あなた 一緒に来て 何気なくテレビ画面を見つめた私の中へと蘇ったのは、 こんな私の声でした。 あの日の私が、あなたに一緒に来てとお願いしたのは、トイレでした。 そう言えばあの時。 蘇った声に思わず笑いながら、記憶を辿ったのは、 あ…

緑色のお線香

あなたへ お線香が入った箱の中をまじまじと見つめながら、 思わず驚いてしまったのは、昨夜の私です。 普段はあまり意識をせずに、お線香へ手を伸ばしていた私ですが、 何気なくお線香の箱を手に取って、中身を見てみれば、 なんと緑色のお線香だけが、やけ…

私たちの成長

あなたへ 帰っちゃったね 本当に帰っちゃったんだね つい先程まで、 確かにあの子が此処にいた痕跡を確認するかのように、 ウロウロと家の中を歩き回り、あの子の部屋を覗いて。 静まり返ったこの家の中に、 再び流れ始めた私の日常生活を何度も確認しながら…

生きているから集めることが出来た景色

あなたへ あれからの私は、 どれだけの掛け替えのないものを集めただろう。 この世界に流れる時間に必死に抵抗しながら、 あの夏のあなたに、 真っ直ぐに手を伸ばしていた筈だった私の手の中には、 随分とたくさんの素敵なものが集まりました。 あの子と笑い…

私にとっての祖母

あなたへ 携帯電話のアプリを開くと、私の目に飛び込んで来たのは、 ばぁば、という文字でした。 特に珍しい言葉なわけではないけれど、 あの日の私にとってのそれは、きっと何かが違ったのでしょう。 その文字を見つめた私の中へと、不意に蘇ったのは、 祖…

私に訪れた大きな試練

あなたへ 実は先日の私は、 あなたが息を引き取った病院へ行って来ました。 母の付き添いです。 本当は、もう二度と行きたくはない場所ではありましたが、 あの夏から、10年という月日の中で、私は、様々な覚悟を決めて、 前へと歩める私へと成長することが…

物凄い発見

あなたへ あの時、私を助けてくれたのは、実はあの子だったりしてね え?なにそれ?そんな訳・・・ でも、ちょっと待って よく考えてみれば、否定は出来ないのかも知れない だってきっと、目には見えないものって、 とても複雑に絡み合っているものだと思う…

昨夜の私が絶対に見ちゃったもの

あなたへ え?今、見たよ 見ちゃったよ 絶対に見ちゃったからね こんな私の言葉に、あなたはそれ以上に表情を変えることなく、 笑顔のままで、こちらを見つめ返すばかりだったけれど、 私は確かに見ました。 あなたの表情が変わった瞬間を、確かにこの目で見…

魂の繋がり

あなたへ ねぇ、あなた。 きっとさ、魂って繋がっているんだね。 上手くは言えないけれど、きっとさ、 この世界に生まれ落ちる前の私たちは、もっと強くに結ばれていたのかも知れないね。 この世界では肉体があるから、個であるように感じるけれど、 本当は…

ひとりドーナツパーティ

あなたへ 今夜の私が開催したのは、ひとりドーナツパーティです。 実はね、先日の母の日に、あの子が、 好きなドーナツと交換出来るチケットを贈ってくれたのです。 あの子はどうして分かったのだろう。 実は、ここ最近の私は、 なんだかドーナツが食べたい…

有限の生を装飾するもの

あなたへ そっと静かにあなたのその頬に手を伸ばしてみたけれど、 やはり期待通りの感触を得ることが出来ないままに、 あなたがくれたペアリングを眺めていました。 右手の薬指。 このリングのかつての居場所で、その感触を確かめてみれば、 私の中へと蘇っ…

死別者同士の話

あなたへ 人は、死んだら何処に行くと思う? これは、彼女の言葉です。 彼女、とは、早い流れの中で出会った海外出身のあの彼女のことです。 私との共通点を持っていた彼女には、 実はもうひとつ、大きな共通点がありました。 彼女もまた、ご主人を亡くされ…

あなたと過ごした合計時間

あなたへ ねぇ、あなた。 あの頃の私たちは、 合計で、どのくらいの時間を一緒に過ごしたのだろう。 あの頃の時間を、こんな視点から見つめてみることが出来たのは、 ある人との出会いがきっかけでした。 家に帰ることが出来るのは年に数十日程度。 先日の私…

もう二度と逢えない人

あなたへ 今日も良い1日にするからね よし!しっかりと頑張ろう あなたに手を合わせて、 新しい1日の始まりを感じていた筈だったのに、 不意に私の中へと蘇ったのは、 この人生の中で、あなたはもう、二度と逢えない人なんだなって、 こんな気持ちでした。 …

来世の自分に贈りたいもの

あなたへ この人生の中では、 蘇る筈のないふたつの記憶らしきものを思い出していました。 こうして改めて、あの、記憶のようなものを思い返してみれば、 やはり、なんだかとても不思議な気持ちがしますが、 今日の私は、あの不思議な感覚を大切に反芻してみ…

あなたみたいな大人

あなたへ このペンケース、可愛いね これは、このゴールデンウィークに帰省していたあの子の、 ペンケースを見つけた私の声です。 うん、可愛いでしょ? こんな言葉と共に、あの日のあの子は、 仕事へ行く時には、必ず持って行くものなのだと話してくれまし…

雑草が蘇らせた日常の一コマ

あなたへ コンクリートの隙間から生えた雑草を見つめながら、 思わず頬が緩んでしまったのは、 不意に蘇った一コマの中にいたあなたが、とても可笑しかったからでした。 ねぇ、あなたは覚えていますか。 幼いあの子と3人で、公園へ出掛けたあの日。 たくさん…

私にとっての眩しい言葉

あなたへ 今日はね、ダーリンが仕事だから、 家に帰っても誰もいないのよ あら、それは寂しいわね これは、先日の私の耳に不意に届いた、誰かと誰かの雑談でした。 ダーリン。 それは、知っているけれど、使ったことのない言葉であり、 知っているけれど、私…

特別なお菓子の味

あなたへ 美味しいお菓子をひとりで食べながら、胸の奥がギュッてして。 楽しかったなって、 思わず小さな声で呟いてしまうのは、これで何度目だろう。 これは、あの子が買って来てくれたお菓子を、 ひとりで食べる時の私の小さな声なのです。 あの子が帰省…

知らなかった痛み

あなたへ あなたみたいに前髪を切れるようになったこと カー用品店へひとりで行けるようになったこと 電化製品をひとりで買いに行けるようになったこと それから、 ひとりで歩めるようになったこと あの夏からの私は、 どれだけのことをひとりで出来るように…

大失敗してしまったこと

あなたへ とても怖い夢を見ました。 これは、私のミスによるものです。 自分のミスで、怖い夢を見てしまうだなんて、思えば初めてのことですが、 こんなこともあるようです。 眠る前に、気になる動画を見つけた私が再生したのは、 タイムスリップを体験した…

巣立った我が子に持たせるお弁当

あなたへ 私たちの非日常生活は終わり、 今日からまた互いに日常生活が始まりました。 今日の私は、お昼ご飯を食べながら、 今頃のあの子はお弁当を食べているだろうかと、 遠くの地で日常生活へと戻ったあの子を想いました。 今日のあの子はね、お昼には私…

あの子のゴールデンウィーク終わりの日

あなたへ あの子との非日常生活が、また終わってしまいました。 夕方に、あの子はこちらを出発しました。 このゴールデンウィークも、 互いにひとつ歳を重ねてから、初めての再会となりました。 お誕生日おめでとうを互いに言い合って、笑い合って。 そんな…

前髪 -2025-

あなたへ 前髪が伸び過ぎて、煩わしさを感じながらも、 なかなか切るタイミングを見つけることが出来ないままに、 暫くを過ごしていましたが、 漸く、前髪を切るタイミングを見つけることが出来たのは、先日のことでした。 切り立ての前髪を見つめながら、小…

人が誰かと一緒にいる理由

あなたへ 人ってさ、足りない何かを埋めるために、 誰かと一緒にいるのかも知れないな これは、不意に私の中へと浮かんだ言葉でした。 例えば、好きな人と一緒にいることって、 歪な形を限りなく丸い形に整えるようなことなのかも知れない。 好きになる相手…

あの子が教えてくれた愛おしい気持ち

あなたへ また寂しくなるんだな 思わずこんな言葉を呟いたのは、 今回のあの子の帰省2日目の夜、眠る前のことでした。 今回のあの子は、 カレンダー上のゴールデンウィークよりも、1日長くこちらにいられるようです。 まだまだあの子と一緒に居られるにも関…

私が知らなかった愛の形を教えてくれた人の話

あなたへ こんなお姉さんがいたら、きっと楽しいんだろうな。 こんな印象の彼女と出会ったのは、 早い流れの中のでのことでした。 彼女は、とても愛情深くて、面倒見が良くて、 とても綺麗で、チャーミングで、本当に素敵な女性でした。 ハンドメイドやお菓…

生かされたと感じた出来事

あなたへ 何の脈絡もなく、不意に私の中へと蘇ったのは、 あなたと出会う前の出来事でした。 そう言えば、あの時。 記憶を辿り、様々に考えを巡らせれば、 私の中へと聞こえたような気がしたのは、いつかのあなたの言葉でした。 俺は生きているんじゃなくて…