2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧
あなたへ 夜中にね、お墓の前に人が佇んでいたのよ。 突然にこんな誰かの声が聞こえて来たのは、 駐車場に停めた車の中で、ひと休みをしていた時のことでした。 とても大きく、そしてはっきりと声が聞こえるけれど、 周りを見渡してみても、声の主は何処にい…
あなたへ あなたの夢を見たような気がする。 ふと、昨夜の夢の中で私が感じていた気持ちを思い出したのは、 日中の、何気ない時間の中でのことでした。 夢の中の私は、確かに、あなたのすぐ側で、 幸せな気持ちを、胸の中いっぱいに感じていたような気がする…
あなたへ 疲れた!今日はもう駄目!寝る! こんな私の大きな独り言が、静かな我が家に響いたのは、先日のことでした。 とにかく疲れ過ぎていたあの日の私は、 筋トレも、そしてストレッチも、全てをお休みして、 寝支度を整え、即、眠りに就くことにしたので…
あなたへ 私は、あなたと同じ姓を名乗るようになってから、 どれくらいが経ったのだろう。 何気なく、こんなことを考えていたのは、先日のことでした。 何故だか、あなたと同じ姓で呼ばれることに、 初めから違和感を感じることがなかった私は、 その姓で呼…
あなたへ ここ最近のこちらでは、急に寒さを感じるようになりました。 朝起きて、窓を開ければ、流れ込んで来る冷たい空気に身震いして。 そんな日が続き、先日は遂に、 朝晩の寒さに負けてホットカーペットを出し、すっかり冬の準備を整えました。 丁度、こ…
あなたへ 絶対に堕ちない。 こんな目標をしっかりと持ち、日々を歩んだのは、7月のことでした。 あれからの私は、この、堕ちない、という歩み方が通常のものとなり、 気が付けば、日々の在り方が随分と変わりました。 しっかりと目標を持ち歩むことというの…
あなたへ はい!どーも!元気だった? いつでも元気なあの子ですが、 第一声目から、いつもよりも更に元気なあの子の声が聞こえて来たのは、 先日のことでした。 社会人3年目を迎え、目標としていたポジションでの仕事がスタートし、 更に大きな仕事と向き合…
秋の色を覚えていますか 秋の音を覚えていますか 秋の風を覚えていますか その瞳に映った景色 その耳で感じた季節 その肌で感じた温度を 覚えていますか 秋の季節に私が作ったお菓子の味を あなたの隣で笑っていたあの子の笑顔を あなたは覚えていますか 毎…
あなたへ ねぇ、あなた。 あれは、あなたからの返事だったのでしょうか。 タッチ!イェーイ!!バーリア! そう言って、とても懐かしいポーズを決めて、 バリアを張ったあなたの姿が不意に浮かんだのは、 昨夜、あなたへの手紙を送り終えてから間も無くのこ…
あなたへ バナナはおやつに入らないからね これは、なんの脈絡もなく突然に、昨夜の私の中へと蘇った、 いつかのあなたの声でした。 小さく笑いながら記憶を辿れば、その日の記憶は、直ぐに見つかりました。 そう。あれは、私たちが出会ってから初めての、遠…
あなたへ 私が筋トレを始めてから、5ヶ月が経ちました。 今日の私は、思えば筋トレとの向き合い方も随分と変わったなと、 これまでの私の筋トレライフを感慨深く振り返っていました。 私にとっての筋トレとは、 幸せな気持ちのする例のアレを分泌させること…
あなたへ 外出先からの帰り道、 今朝で丁度コーヒーが切れてしまったことを思い出した私は、 買い物に寄ってから帰ることにしました。 駐車場へと車を停めたところで、 ふと、晩御飯をまだ決めていなかったことに気が付いて。 それなら今日は、ついでに何か…
あなたへ 昨日の私は、ポテトチップスとコーラという組み合わせを試してみましたが、 しゃっくりと戦いながら、ちびちびと飲んだコーラは、 飲み切ることが出来ないままに、一旦、冷蔵庫へと仕舞うこととなりました。 そうだった 私は、炭酸飲料を1本飲み切…
あなたへ ポテトチップスとコーラは、抜群の相性なのだと、 誰かからこんな話を聞いたのは、あなたと出会う前の頃の私でした。 炭酸飲料を好まない私には、全く理解が出来ないその組み合わせに、 あの時の私はただ、へぇ、と頷くしか出来ないままでいました…
あなたへ そこを右に曲がることだけは覚えてる。 でも、その先はもう覚えてはいない。 ぼんやりと、こんなことを考えていたのは、 あなたが息を引き取ったあの病院へと向かった幾つかの日の中でのことでした。 あの角を曲がり、更に幾つかの角を曲がれば、 …
あなたへ 自分の寝言で目が覚めたのは、先日の私です。 何を話していたのかは、覚えていませんが、 自分の声で夜中に目が覚めたことだけは、はっきりと覚えています。 自分の寝言で目が覚めるのは、恐らく数年振りのことですが、 目が覚めていないだけで、 …
あなたへ 録画を観終えて、停止ボタンを押して、いつも通り、 テレビの電源を切ろうとした私の目に飛び込んで来たのは、 私が子供の頃に観ていたトレンディなテレビドラマのワンシーンでした。 あれ?このテレビドラマ知ってる、と、思わず手を止めて、 懐か…
あなたへ ミサンガ、それから、アマビエ様のチャーム。 これは、そちら側のあなたのところまで届きますようにと、 願いを込めて作った贈り物です。 そちら側のあなたへの贈り物は、 香りという贈り物が大半ではありますが、こうして2つだけ、 私からあなた…
あなたへ それは、先日のことでした。 静まり返った我が家の中に、突然に聞こえたのは、カサッという小さな音でした。 それがあなたへお供えしたお菓子が動いて鳴った音だと直ぐに気が付いたのは、 私が家族の部屋にいる時に音が鳴ったからでした。 窓は閉め…
あなたへ 夏の終わりを感じ始めれば、 来年用の手帳をインターネットで検索しては、様々な手帳を見てみるのが、 いつの頃からかの私の毎年の恒例となりましたが、 今年の私も、時間を見つけては、来年用の手帳を見る時間を楽しんでいます。 2冊の手帳を使い…
あなたへ お盆が過ぎた頃から聞こえていた秋の虫の声は、いつの間にか止んで、 気が付けば、風に乗って、金木犀の香りが届くようになりました。 日が暮れるのも、だんだん早くなり、 朝晩には、僅かに肌寒さを感じるようにもなりました。 少しずつ、変わり行…
あの日の翌朝、 温かなものに包まれる感触で目が覚めたことは、今でもはっきりと覚えている。 私が起き出すと、あの子もまた同時に起きて来た。 きっと、私と同じようにして、目が覚めたのだろう。 「お父さんは、元に戻ったんだね。」 おはようの挨拶よりも…
今日も、朝から青空が広がり、とても気持ちが良い日だ。 お昼を食べ終えた私たちは、 薔薇が咲く公園内をゆっくりと一周した。 そうして最後に、あの子が連れて行ってくれたのは、近所の公園だった。 此処は、私たち家族3人にとって、最もたくさんの思い出が…
ファーストフード店でお昼ご飯を買い込みながら、 次に到着した先は、薔薇が咲く公園だった。 「え?嬉しい!もう一度、此処に来たいと思っていたの!」 思わずこんな声を上げれば、だと思った、と、あの子が笑っている。 此処は、家から少し距離があって、…
チーーーン いつも通り、おりんを鳴らす夫の姿をあの子と2人で見守れば、 夫の身体が一瞬、七色に輝くと、ほんの少しだけ、身体が透けて見えたのは、 夫が物質化されてから7日目の朝だった。 思わずあの子と顔を見合わせたものの、 私たちは、何も言葉にはし…
「ねぇ、あなたの人生の目的は何だったの?」 物質化されてからの夫は、本当に様々な話を聞かせてくれたけれど、 思えば夫は、自分の話をあまり聞かせてくれていない。 これは、実は、夫に聞いてみたかったことだ。 『俺があの人生を選んだ目的は、たくさん…
『起きて?ねぇ起きて?』 今朝も、夫の声で目が覚めた。 夫が物質化されてからというもの、こうして毎朝、夫が起こしてくれている。 そう。1日だけ、寝坊した日もあったけれど。 生身の身体ではない夫だけは、眠らない。 だからこうして時間が来たら、あの…
気が付けば、とっくに夕方を過ぎている。 今日は、これまでとは違う視点からの話が出来たお陰で、 本当に色々なことを知れた。 夫を元に戻す方法は、何一つ見つけることが出来なかったけれど、 この時間は、あの子と私にとって、とても意味のある深い時間と…
『それなら、魔法の言葉を教えておくよ。 幸せだなって言いながら生きているとね、 勝手に幸せに生きられるようになるんだよ。 人が話す言葉ってね、実は魔法の呪文と同じなんだよ。』 例えば毎日、ネガティブな言葉を発する人がいるとする。 陰口、愚痴、不…
ゴリラの人の前々世の話を聞き終えた私たちは、暫く言葉も出なかった。 ただ静かにその余韻に浸っていた。 「家も財産も、奥さんに置いて行くって、凄いよね。 折角、そこまでになったのに、手放すのって、勇気が入ることだよね。」 やがて、口を開いたのは…