拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

手紙

私が体験した怖い話

あなたへ ねぇ、あなた。 ここ最近の私は、見えない力や世界についてを考えていましたが、 間違えて、決して開けてはならなかった記憶の蓋までもを開けてしまったようです。 どうにかもう一度、記憶の蓋を閉じようと努力してみたものの、 忘れようと思えば思…

見えないものを感じ取る力

あなたへ 先日の私は、 これまでの私の身に起こった様々な不思議な出来事を思い出しながら、 私は随分と変わったなと、こんな気持ちで自分の歩みを振り返りましたが、 そんな中で、ふと思い出していたのはあの子の言葉でした。 この部屋はね、変な匂いがした…

猫になったあなた

あなたへ あなたの夢を見ました。 あなたが猫になって、この世界へと戻って来てくれた夢でした。 思えば、あんなに可愛い姿で逢いに来てくれるのは、 これが初めてのことでしたね。 ふわふわで、とても綺麗な薄い茶色の猫。 あなたは猫の姿だけれど、お喋り…

目に見えない力

あなたへ 私はいつから、何の疑いもなしに、 ただ、あなたの力を感じ、信じられるようになったのだろう。 私はいつから、 自分の中へと流れ込んでくるあなたからの想いであろう言葉を、 素直に受け取れるようになったのだろう。 あなたと共に、この世界で過…

今、此処に感じる気持ち

あなたへ あぁ、そっか。 子育て、終わっちゃったんだな。 あの子が巣立ち、少しずつ、少しずつ、 ひとりの生活にも慣れてきた私ですが、 不意に自分の中に見つけたこんな気持ちと向き合うのは、 これで何度目だろう。 誰かの足音に、 ふと、あの子のただい…

夜のひとりピクニック(風)

あなたへ 冬には忘れてしまうかも知れないからと、 冬が来る前に夜のピクニック(風)へと出掛けたのは、 冷たい風を感じ始めた頃の私でしたが、 冬を迎えても、しっかりと夜のピクニックを覚えていたのは、 あの時間が私にとって、とても楽しかったからなの…

あの子の心の中の引き出しに仕舞いたかった言葉

あなたへ もしもね、ずっと先の未来で、お母さんが孤独死していたとしても、 あなたは何も気にしなくて良いからね お母さんは、あなたと出会えたことが、 あなたと一緒に過ごせたことが、とても幸せだったから 例え、ひとりでその時を迎えたとしても、 幸せ…

タブのついた飲み物

あなたへ テレビ画面の向こう側。 缶コーヒーのタブを開けるというワンシーンを見つめた私の中に蘇ったのは、 記憶の中の幾つものあなたの姿でした。 タブのついた飲み物を開ける時には、いつも気にした指先。 ネイルに傷がつかないようにと、 慎重にタブを…

冬からの贈り物

あなたへ ここ最近は、 私の理想とする時間に起きるという自分との勝負に負け続きだった私ですが、 漸く自分に勝つことが出来たのは、今朝のことでした。 このまま、春まで冬眠してしまいたいというあの現象にも、 自分の意思とは関係なしに、 瞬きの間に時…

冬のタイムスリップ現象

あなたへ え?嘘でしょ?私、今、寝てた? 時計を見て驚いたのは、今朝の私です。 確かに一度、目が覚めて、もう起きようと考えていた筈なのに、 次に時計を見てみると、1時間も時空を超えていたのです。 ノロノロと起き出して、 自分の意志とは関係なしに時…

10年前の元日

あなたへ 10年前のお正月は、お父さんも一緒にいたんだね 10年前の元日を静かに振り返っていたのは、 年が明けてからの私たちでした。 ねぇ、あなたは覚えていますか。 10年前、2014年の始まりの日の私たちは、スノーボードへ出掛けましたね。 あの日も、綺…

あの子の休息の場所

あなたへ あぁ、そっか。 私は今、あの頃の私が思い描いた未来を生きているんだな。 ふと、こんなふうに気が付いたのは、 年明け前、あの子の帰省を楽しみに待っていた頃の私でした。 あの頃とは、そう。 忘れもしません。 夢の中のあなたが、 私に再婚を勧…

空の彼方への年賀状 -2024-

あなたへ 元旦は晴れの日が多いと、こんなふうに気が付いたのは、 昨年のことでしたが、 2024年の始まりの日のこちらでも、綺麗な青空が広がりました。 今年一番に撮ったばかりの空を、あなたへ贈ります。 今年の空も、とても綺麗でしょう? 今年も、あなた…

2023年終わりの日

あなたへ 今日で、2023年が終わりを迎えます。 今日の私は、この1年間の歩みをゆっくりと振り返っていました。 この2023年は、私にとって、 本当に様々な初めてを知った年だったように思います。 これまで知らなかった涙の温度を知り、 これまで知らなかった…

非日常の始まり

あなたへ 昨日、外出先から戻ると、玄関にあの子の靴を見つけました。 あの子が帰って来てる! 嬉々として部屋へと急げば、眠っているあの子を発見。 あなたの場所へは、あの子からのお土産のお菓子を見つけました。 やがて目を覚ましたあの子と一緒に、 コ…

非日常

あなたへ あの子との時間は、非日常なんだな これは、あの子が巣立ち、 初めてのお盆を過ぎた頃の私の中に初めて見つけた気持ちでした。 例えば、家の中に見える景色や会社で見える景色。 自分にとってのいつもの生活の中へ溶け込んだ時間の中に見える景色が…

あなたによく似た人

あなたへ 先日、買い物へ出掛けた先で、 不意に私の目に飛び込んで来たのは、あなたによく似た人でした。 この世界にあなたがいるわけがないことを分かっていても、 心臓が勝手に飛び跳ねて。 早鐘のように鳴り響く心臓の音を聞きながら、 違う人だと必死に…

あの子のサンタクロース

あなたへ どんなに遠くに離れていても、 あの子が幾つになっても、 私はあの子のサンタクロースであり続けたい。 だってあの子は、幾つになっても私たちの良い子だもの。 ふとこんなことを考えたのは、 少しずつ寒さを感じられるようになった頃のことでした…

クリスマスパーティ -2023-

あなたへ 今年のクリスマスパーティもとても楽しかったですね。 きっと今年もパーティに参加してくれたあなた。 ありがとう。 今日は、あの子が巣立ってから初めてのクリスマスイブです。 今夜の私は、 あなたと出会ってから過ごしたクリスマスイヴの日を、 …

寒さに身を竦めながら

あなたへ さっ寒い!! 寒いよーー!!! あまりの寒さに身を竦めながら、思わず叫んでしまうのは、 ここ最近の朝の車内での私です。 ここ最近のこちらでは、 急に厳しい寒さを感じられるようになりました。 今朝もまた、車に乗り込み、寒さに身を竦めながら…

逃げ場のない痛みが私に教えたこと

あなたへ どんなに前を向いて歩んでいても、不意に胸の奥がギュッと締め付けられて、 苦しくて堪らなくなる瞬間は、これまでに何度経験してきただろう。 あなたを見送るまで知らなかったこの痛みに、 一生向き合い続けるのだと不意に覚悟を決めた瞬間が訪れ…

素敵な女性との出会い

あなたへ 私の目の前に準備されたふたつの道の前で立ち止まり、 どちらの道へ進めば良いのかと思い悩んでいたのは、 秋を感じる頃のことでした。 あの時、ふたつの道の前で悩んだけれど、 私はきっと、この人に出会うためにこの道を選んだんだろうなって、 …

子供の頃に体験した不思議な出来事

あなたへ 先日の私の中に突然に蘇ったのは、 子供の頃に体験した不思議な出来事でした。 今日はあなたにも、 あの不思議な出来事を話してみたいと思います。 あれは私がまだ、小学生の頃のことでした。 あの日は、当時の私のお気に入りだったリボンのブロー…

長く暮らす場所

あなたへ いつもの公園。 入り口の直ぐ側にある広場を覚えていますか。 そこで小さなお子さんを連れた3人家族が楽しそうに遊んでいるのを見かけて、 そこにある笑顔と、かつての私たちの姿を重ね合わせていました。 小さなあの子と一緒に3人で遊んでいたあの…

あの頃の通勤ルート

あなたへ 長く勤めた会社の直ぐ側まで出掛けたのは、 先日のことでした。 あの頃の通勤ルートを辿るように運転をしながら、 そこに見える景色に懐かしさを感じたり、 以前にはなかった新しい建物を発見したり。 かつての私が毎日見ていた景色を眺めながら、 …

堕ち切った先のあの子

あなたへ 先日、あの子が電話をくれました。 あの子の沈んだ声が聞こえて以来、数週間振りです。 それまではメッセージを通して時々やり取りをしながら、 あの子がまた前を向いて歩んでいることを確認していましたが、 やはり電話である方が、文字よりも更に…

ペアリング

あなたへ それは彼氏とのペアリング? へぇ、翼のデザインか その翼を広げて、彼氏は何処かに飛んで行ってしまうかも知れないね 冗談めかしたこんな先輩の声に、私は笑って答えました。 何言ってるんですか 対の翼があるから飛べるんですよ 飛ぶ時は、2人一…

一旦休憩の日

あなたへ 大きな成長期の中を過ごす私は、日々、新たな視点が見つかることや、 別な自分に会えることを楽しんでいますが、 時々には、脳がパンクするのではないかと、 こんなことを感じてしまう日もありました。 脳内だけが忙しい日々を送るというのも、長期…

私を褒める日

あなたへ 大丈夫。 どんなにあの夏からの記憶を辿ろうとも、 私はもう、泣いたりはしない。 目を閉じて、大きく深呼吸をして、 胸の奥がギュッと掴まれる感触をちゃんと感じたら、 しっかりと目を開けて、 何度でも必ず此処に戻って見せるから。 これは、今…

止まらない成長期

あなたへ 今の私は、人間の成長期にいますと、 こんな手紙を書いたのは、先日のことでしたが、 あれからの私も相変わらずに、脳内だけが忙し過ぎる毎日を送っています。 やがては、この成長期も緩やかなものへと変わり、 一旦の終わりがやって来る日が来るの…