拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

emi's fantasy 亡き夫と過ごした7日間

亡き夫と過ごした7日間 13

目が覚めたら、既にあの子は起きていて、パソコンに向き合っていた。 「ごめん。結構、寝ちゃった。」 少しだけ眠るつもりだったのに、 朝とは呼べない時間まで眠ってしまったようだ。 『一回は起こしたんだけどさ、無反応だったから。疲れているのかなと思…

亡き夫と過ごした7日間 12

「え?なにそれ、大変じゃん!」 これは、あの子の声だ。 夫が、今こうして此処にいる理由を詳しく説明して聞かせたのだ。 『そうなんだよ。今の向こう側がどうなっているかも分からない。』 「向こう側の人たちってさ、テレパシーみたいなのとか使えないの…

亡き夫と過ごした7日間 11

「はい!どーも!ただいま!!また帰って来ちゃったよ。」 相変わらずに元気いっぱいのあの子が、車に乗り込んで来た。 時間は、深夜23時45分。 あの子が電話をくれたのは昨夜のことだった。 ーーー俺、明日、そっちに帰るよ。ーーー 夫と会話を楽しんでいた…

亡き夫と過ごした7日間 10

その夜は、腕を振るって料理を作った。 夫はもう、食べることは出来ない。でも、香りを楽しむことが出来るのだ。 だから、今夜は、夫が好きだったものばかりを準備した。 『おぉ!!凄い!豪華だね。』 とても嬉しそうに食卓を見つめた夫は、香りを楽しんで…

亡き夫と過ごした7日間 9

夫の話は、何もかもが驚く話ばかりだ。 一息吐きたくて、コーヒーへと手を伸ばせば、 夫の分のコーヒーが、一口も減っていないことに気が付いた。 「あれ?コーヒー。飲まないの?」 さっき、確かに一緒にコーヒーを飲んでいた筈だったのに。 『俺は、もう、…

亡き夫と過ごした7日間 8

例えば、動物へと生まれ変わって、 この世界の様子を客観的に観察しに来ている魂がいたり、 それから、まだ生まれ変わる予定ではなかったけれど、 どうにかしなければいけないという想いから、 急いで支度を整えて、人間として生まれ落ちた魂もいる。 『因み…

亡き夫と過ごした7日間 7

私たちは、幸せになるために、この世界に生まれて来た。 この世界へと誕生した瞬間に私たちは、 向こう側の皆からも盛大な祝福を受けるのだと言う。 【幸せになりなさい。】 その深い祈りに応えるように、私たちはこの世に産声を響かせる。 それはただの最初…

亡き夫と過ごした7日間 6

『俺は今、プラスのエネルギーの話をしたけれど、 それはマイナスのエネルギーも全く同じなんだよ。』 愚痴、不平不満、そして、陰口。 このような行動にはマイナスのエネルギーが発生し、 それらもまた伝染して行くのだと言う。 「あぁ、それ。分かるかも知…

亡き夫と過ごした7日間 5

『人はね、皆、幸せになるために、この世界に生まれて来るんだよ。』 人生は修行だ、とか、学びだ、とか、 人生に対する考え方や捉え方は様々に出来るけれど、 その大前提にあるのは、幸せになるためなのだと、夫は、こんな話を聞かせてくれた。 修行のよう…

亡き夫と過ごした7日間 4

どれくらいの間、夫の腕の中の温度を感じていただろうか。 やがて夫は、静かに腕を緩めて私の頬を拭うと、とても穏やかな顔で口を開いた。 『今、どんな気持ちを感じている?』 私は今、夫が居なくなってしまった私のこの人生を、しっかりと生きたいと思った…

亡き夫と過ごした7日間 3

「そうだ。先ずはコーヒーでも淹れようね。」 先程、亡くなった筈の夫との再会を果たした私は、あのまま手を繋いで歩いた。 静かに、何の言葉も交わさずに、ただ歩き続けた。 とても逢いたかった人に本当に逢えた時というのは、 本当なら、もう二度と逢える…

亡き夫と過ごした7日間 2

夫がすぐ隣にいる? そして、手を繋いでいる? いやいや。そんな筈はないじゃないか。 相変わらずに右手に感じる温もりをそのままに、 私は、一旦、空を見上げてから、何度か瞬きをして、 もう一度、視線を戻してみた。 でも、やはり、いる。夫が、此処に。 …

亡き夫と過ごした7日間 1

私は、何処までも真っ直ぐに続くこの一本道がとても好きだ。 今日の私が、爽やかな風を感じながら、ただのんびりと歩いているこの一本道は、 本当は、夫と一緒に、いつか歩いてみたかった場所だった。 川に沿ったこの一本道には、桜の木が並んでいて、 春の…