亡くなった人を想うと、天国に花が降るらしい。
こんな言葉を見つけたのは、いつの頃のことだっただろう。
どうやら、亡くなった人を想うと、
向こう側にいるその人に、花が降るらしいのだと、
こんな言葉を見つけた日に、私は彼を想いながら、
向こう側にいる彼に、たくさんの花が降り注ぐ様子を思い描いてみた。
暖かで、柔らかな光のように、
色とりどりで、キラキラと光る花たちが、
彼に降り注ぐ様子を思い浮かべてみれば、
そこにいる彼は、とても楽しそうに笑っていた。
私が彼を想う時、彼には、こんなふうに、
たくさんの花が降り注がれていたのかも知れないと、
あの日の私は、花が降る中で見せてくれた彼の笑顔を見つめてみたんだ。
彼の温かな手を離したあの夏から、
私は、毎日、毎日、彼を想い続けて来た。
逢いたい
寂しい
苦しい
痛い
この世界から彼を想う私の気持ちは、様々に揺れ動くけれど、
たくさんの涙を流していたあの頃も、
彼に堪らなく逢いたくて、
この世界の何処かに彼の姿を探していたあの時も、
向こう側にいる彼には、
キラキラと光るたくさんの花が降り注がれていたのかも知れないと考えたら、
どこか報われたような気がしたんだ。
あの夏から、先へ先へと歩みを進めながら、やがて、
彼を想いながら泣くことは、もう辞めようと涙を拭った日があって、
この人生を、大切に生き切る覚悟を決めた日があった。
彼を見送ったあの夏から、私は随分と成長することが出来たけれど、
私は、相変わらずに彼を想う。
亡くなった人を想うと、天国に花が降るのだと言うのなら、
きっと今日も、私は彼に、花を贈ることが出来たのだろう。
彼がいる向こう側の世界は、形がない世界。
どんなに花を降らせても、
直ぐに消えてしまうのかも知れないから、
私はいつでも、彼に花を降らせる存在でいたい。
暖かく、柔らかな光みたいな、
キラキラとした色とりどりの花たちを、
彼に贈り続けならが、私は生きていたいと思うんだ。
もしも、降り注ぐ花の中で、
彼があんなふうに、笑ってくれているのなら。
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