あなたへ
あなたを見送ってからの私は、死に対しての考え方が変わりました。
なんというか・・・
怖いものではなくなりました。
あなたに逢いたい
死にたいと思っているわけではないけれど、
あなたのところに行きたいということは、
そういうことになってしまうのでしょう。
死にたいわけではないけれど、あなたの側にいたい
矛盾とも言えるこんな気持ちを抱えたままで、
日々を過ごしていた私のことを、
あなたは何処かで、見ていてくれたのでしょうか。
まだ、こちらに来てはいけないよ
夢の中のあなたは、私を諭すように、こんな言葉をくれましたね。
二度もその心臓が止まりかけながらも、
懸命に生きようとしていたあなたの姿を思い出しながら、
夢の中のあなたの声を、何度も反芻しながら、
時間は掛かりましたが、
漸く、少しずつ、前を向いて生きてみようと思えるようになりました。
少しずつ、前を見つめられるようになると、
見えるものも少しずつ、変わるものなのかも知れません。
今、目の前にいるのは、あの夏よりもずっと、あなたに似てきたあの子。
顔の輪郭、おでこ、手、筋肉の付き方まで、
本当にあなたによく似てきました。
もしも此処に、あなたがいてくれたのなら、
今頃、男同士で、筋肉自慢でもし合っていたのでしょうか。
2人で変なポーズを決めながら、私を呼んで、
どう?って、
なんて答えたら良いのかも分からない感想を求められて、
困ってしまう時間が、ふと思い浮かんで、なんだか、笑ってしまいました。
どちらの方が、筋肉量が多のかという質問であるのなら、
大丈夫。
あの子があなたに追いつくのは、まだまだ先のようですよ。
ちゃんと前を見つめてみれば、
あの夏よりも随分、成長したあの子の笑顔が此処にあります。
もう此処に、あなたはいないけれど、
あなたは、私に掛け替えのない家族をくれました。
あの子に出会わせてくれたあなた。
ありがとう。
私たちは、今日も、あなたを想いながら、此処で、生きています。