あなたへ
あなたをそちら側へ送り出してから、
あの子の言葉は、時々、不思議です。
私の元気がない時に、
後ろ向きで、前が見えなくなった時に、
あの子は、なんの前触れもなく突然に、前向きになれる言葉をくれます。
せっかく生きているんだから、楽しまなくちゃ損しちゃうよね。
生きていれば、嫌な事もあるけれど、いい事も、たくさんあるよね。
そのタイミングは、いつでも、絶妙で、
私の元気がない時に限って、
あの子の口から出る言葉は、とても不思議で、元気が出ます。
時々、あの子の口を借りて、
あなたが話しているのかな なんて、思う事があります。
だって、あの子は、覚えていない事の方が多いんです。
この前、こんな事言ってたよね。の私の言葉に、
あの子は、そうだった?なんて返事で。
あなたは、本当は、私が思っているよりも、
ずっと側にいるのでしょうか。
あなたに逢いたくて、寂しくなった時、
ふと、背中が温かく感じたのは、
あなたが、そっと、抱きしめてくれていたのでしょうか。
涙が、ひとりでに、流れた後、スッと涙が乾いた時は、
あなたが、涙を拭ってくれていたのでしょうか。
本当は、ずっと側にいてくれているのでしょうか。
そして、どうしようもなく、私の気持ちが後ろを向いた時に、
少しの間だけ、あの子の口を借りて、
私に声を掛けてくれているのでしょうか。
そんなふうに思ってしまうくらいに、
あの子の言葉は、時々、不思議で、あなたを感じる事があります。