春の穏やかな日差しは
何だか心地よくて
そのまま眠ってしまいたくなる
ベランダに出て
春の光を浴びながら
目を閉じてみた
私を包み込む暖かな光は
なんだか少し懐かしい気がした
目を閉じながら気が付いたんだ
彼の隣とよく似ている と
そうか 彼の隣は春みたいだったんだな
彼が家に帰って来ると
ただそれだけで
とても安心していられたんだ
彼が春の日差しなら
私は陽だまりの下で眠る猫だったのかも知れない
あの頃の私は
優しく揺れる菜の花を
重たい瞼の隙間から
安心した気持ちで眺めていたんだ
彼の作ってくれる穏やかな春は
世界一 私の幸せの場所だった
春の穏やかな空を眺めながら
元気にしているだろうかと
今日も 彼を想う