拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

大きな手

あなたへ

 

いつもの夜の挨拶。
おやすみとハイタッチをしながら、あの子が言いました。
あれ?俺の手、大きくなったよね?って。

 

久し振りに、手を合わせて、比べてみると、
私の手よりも、関節ひとつ分、
あの子の手の方が大きくなっていました。


あの子の手は、あなたの手によく似ています。

 

いつの間にか大きくなったあの子の手を見つめながら、
思い出していたのは、
あなたの手と、
私の手を合わせて、大きさを比べた日のことでした。


あなたの手は、大きくて、幸せをたくさん掴める手
私の手は、小さいから、きっと、幸せを掴めないんだよ


あの日の私はこんなことを言ったけれど、
あなたは笑って、言ってくれましたね。


小さな手で、全部を捕まえなくていいよ
指先で、俺の事をほんの少しだけ、
掴んでいてくれればいいんだよって。


あなたは、いつでも、
その大きな手で掴んだ幸せを、
私にも、分けてくれていたのかも知れませんね。


あの子の大きな手も、
いつか出会う、
あの子の大切な人の分の幸せも一緒に、
捕まえる日が来るのかも知れませんね。

あなたみたいに。