朝食を済ませ、身支度を始めた。
「おっ、そのパーカーいいよね。俺もそんなの欲しいなぁって思ってるんだよね。」
あの子が着替えた黒のパーカーを羨ましがる彼。
「じゃぁ、今日はこれ、お父さんに貸してあげるよ。」
「え?いいの?じゃぁ、お父さんのこのジャケット着る?」
父子で服の貸し借りをしている。
成長したあの子は、彼の服が似合うようになった。
服を交換して、お互いに、いいねぇと笑い合う2人を眺めた。
本当に、よく似ている━━━。
彼らを眺めながら、メイクの手を止めると、
「ねぇ、まだぁ?お母さんは相変わらず準備に時間掛かるよね。」
あの子の言葉に、彼も頷き、またここでも、男同士、ハイタッチをしながら、2人で笑っている。
急いで支度を整えると、
待ちくたびれている2人に、ごめんねと声を掛けながら、最初の目的地、ホームセンターへ出発した。