あなたへ
自分の死というものは、
ずっとずっと、先の未来にあるものなのだろう
あなたを見送る前までの私は、
何の根拠もないまま、
時に、この命が永遠であるかのように錯覚していたような気がします。
この世に生を受けたものは、いつか死ぬ
あなたを見送り、
年齢など関係なく、その時はやってくるのだということを思い知らされた私は、
時々、自分自身がこの世を去る時というものを考えるようになりました。
私は、何才くらいまで生きることが出来るのだろうか。
その時、あの子は、何処でどんなことをしているだろうかと。
誰も選ぶことが出来ないその時ですが、
もしも願いが叶うのなら、
私がこの世を去る時は、
あの子の隣には、大切な人がいてくれたらいいなと思っています。
あの子の側に寄り添ってくれる大切な人がいてくれたのなら、
いつしか、その悲しみは、半分になってくれるのかも知れません。
私がこの世を去った後に、
あの子が私と過ごした時間を振り返る時には、
悼むのではなく、懐かしい
そんな気持ちで、今過ごす、この時を思い出してくれたらいいなと思います。
あの子に、悼むという気持ちを教えたあなた。
今度は、私が、懐かしいという気持ちで、
人の死と向き合うことを教えてあげることが出来たらいいなと思います。
そちら側で、あの子を見守るあなたと私。
あの子が、私たちのことを、あまり思い出さないくらいに、
隣にいる大切な人と、たくさん笑っていてくれたらいいですね。