私が
貴女を始めて
お母さんと呼んだ日を 知っていますか
あれは彼の告別式を終え
間もなくのことでしたね
庭の畑
貴女が大切に育てた野菜を
一緒に収穫しながら
まるで世間話でもするかのように
不意に言ってくれたのでした
あなたは嫁ではなく娘だからね と
その言葉は
血の繋がりを超えて
私のところに届いた
貴女からの深い愛情でした
お母さん
お義母さん
どちらも呼び方は変わらない
おかあさん
私はあの日から
そっと
貴女のことを
お母さんと呼んでいます
貴女はきっと
ひとりで
たくさん泣いたのでしょう
本当なら
人目も憚らずに泣いていた私のように
貴女だって泣きたかったはずなのに
それなのに
貴女は私のことを気に掛けて
たくさんの愛をくれましたね
本当にありがとう
貴女のあの言葉は
私の励みになり糧となりました
お母さん
今
貴女の目の前に
掛け替えのない大切なものがありますね
今 とても幸せだよ と笑ったあの日の貴女は
とても綺麗でした
貴女の瞳に映る景色が
ずっと
ずっと
鮮やかであり続けますように
私は少し離れた場所から
そっと貴女を想っています
彼を生み
育ててくれた貴女が
いつまでも幸せでありますようにと
恥ずかしがり屋な私は きっと
何度会っても
この気持ちを
貴女に伝えることはないのでしょう
言葉で伝える代わりに
ここに
そっと
私の気持ちをコトバにして