あなたへ
ねぇ、あなた
私のどこが好き?
思えば、あの頃の私は、こんなこと、
一度も聞いたことがなかったね。
どうしてだろう。
あなたは、いつでも、側にいてくれたから、
あの頃の私はそれだけで、充分だったのだと思います。
あなたがいる、そちら側と、
私がいる、こちら側。
もう、その手に触れることが出来なくなってしまったから、
初めて、聞いてみたくなったのかも知れません。
私のどこが好き?って。
やっぱり、あの頃に、聞いておけば良かったなって、
今になって、こんなふうに考えてしまうよ。
ねぇ、あなた
私のどこが好き?
もしも今、あなたの声が聞けるのなら、
どんな答えをくれるのだろう。
出来ればね、
あの頃には、聞いたこともないような、
甘い台詞を聞いてみたい。
もう、二度と、触れ合うことが出来ない代わりに、
今日は、
そっと、心を結んでみたいの。