粛々と、式が進行する。
「最後のお別れです。」
こんな言葉と共に、彼とあの子を始めに、
参列してくれた皆が、私の棺の中にお花を入れてくれた。
私の棺の中は、ピンク色のお花で一杯になった。
皆がお花を入れ終えると、
私の胸元に、彼とあの子から、それぞれの手紙を添えられる。
そうして、
最後に、彼がそっと、家族写真を入れてくれた。
彼と私の真ん中で、
あの子が、おどけて頭にぬいぐるみを乗せたこの写真は、
最後の家族写真となってしまった。
この写真を撮った日から、まだ1年も経っていない。
ずっと、3人一緒だよ
こんなメッセージを込めて、
彼らは、この写真を私の遺影に選んでくれた。
彼は最後に、もう一度、棺の中に入れた家族写真を見つめ、
私へと視線を戻すと、
眠る私の頬をそっと撫で、
「楽しかったね。」
そう言って、
静かに涙を流しながら、穏やかに微笑んだ。
棺の中で眠る私の姿に、
彼が最後に向けてくれたのは、穏やかな笑顔だった。
ねぇ、あなた。
今日1日、お疲れ様。
喪主の挨拶、格好良かったよ。
ありがとう。
私ね、あなたと結婚出来て良かった。
幸せだったよ。