拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

愛妻弁当

あなたへ

 

子供が高校生になると、旦那のお弁当も作るようになるのよね

 

こんな話を聞いたのは、あの子が高校生になってから、

どのくらいが経った頃だったでしょうか。

 

皆の談笑に耳を傾けながら、

もしも、あなたが此処にいてくれたのなら、

私も、皆と同じように、あなたの分のお弁当も作っていたのだろうかと、

毎朝、2人分のお弁当を作る自分の姿を、想像したのでした。

 

あの子のお弁当作りの日々を終え、

なんだか、物足りなさを感じる中で、

ふと思い出した、いつかの話。

 

私が経験することが出来なかった時間を、ただ想像するだけの私でしたが、

それなら、2人分のお弁当を作ってみようだなんて、

突然、思いついてしまったのです。

 

だから、今日はね、

朝から張り切って、お弁当を作ったの。

 

早々に、あなたの場所へお供えした、愛妻弁当。

 

あなたが好きなもの、たくさん入れたよ。

ハートに切り抜いたハムも、ちゃんと食べてね。

 

初めて経験した、2人分のお弁当を作る朝の時間は、バタバタとしながらも、

幸せな気持ちが、2倍になりました。

 

いつもの朝は、

おはよう

行ってきますって、あなたに声を掛ける私ですが、

今日だけは、

あなた、お弁当持った?

いってらっしゃい

そんなふうに、声を掛けてもいいですか。