「ずっと昔、わしらは、神の元、ただ、ふわふわと漂うような存在じゃった。」
その存在に、始まりはなく、初めから、そこにいたのだと言う。
性別もなければ、年齢もない。
ただ、初めから存在し、漂うものだった。
やがて地球という星が生まれ、そこは、青と緑の美しい星へと変わっていった。
神は、漂う者たちに命じた。
あの美しい星を守りなさいと。
「そうしてわしらは、例えば木に、例えば岩に、
この地球のあらゆるものに宿る者となった。
それは、わしらにとって、学びの機会となった。
ある者は数億年、ある者は数万年、
地球での学びを終えた者は、また神の元へと戻っていく。
再び、神の元で漂うだけの存在となったわしらに、神は問うた。
神になりたいかと。
神になりたいという幾つかの声を聞き、神は、わしらに試練を与えた。
神になることを願う者は、願いを叶える者として、修行をするようにと。」
そうして、宿る者の役目を終えた彼らは、
再び、願いを叶える者として、この星に戻って来たのだと言う。
「わしは、神になるための修行の身なのじゃよ。だから、神様とは違う。」