あなたへ
会社帰りに、スーパーで買い物をして帰って来ました。
ひとりで店内を回りながら、ふと、思い出したのは、
先日、あの子と一緒に買い物をした日のことでした。
そうだ
アレも見てみない?
気が付けば、いつもよりも、たくさん入ったカゴの中。
あの日の買い物は、いつもよりも、長くの時間が掛かりました。
隣に誰かがいれば、足を止める場所も多くなり、
買い物に掛かる時間も変わる。
先日、あの子が一緒に買い物をしてくれたことから、
そんな感覚を思い出してしまった私は、
なんだか少し、寂しくなりました。
ひとりよりも、少しだけ、時間が掛かるスーパーでの買い物は、
とても楽しくて、幸せな時間。
スーパーでも、何処でも、一緒に行こうね
結婚が決まったばかりの頃の、あなたの声を思い出します。
誰かと一緒に、スーパーで買い物をするって、こんなに楽しいものだったんだ。
一番初めに、それを教えてくれたのは、あなたでした。
ひとりで買い物をする時は、短時間で済む代わりに、
そこに、笑い声はありません。
今日の私は、ただ、淡々と、品物をカゴへと入れながら、
あっという間に、買い物の時間は終わりました。
これから、私はずっと、ひとりぼっち。
小さなため息を吐きながら、
どうすることも出来ないままに、私はまた、
ひとりでの買い物の時間に慣れていくのでしょう。
でも、ふと、思いました。
今の私がこんなに寂しいのは、
きっと、とても幸せな時間を知っているからなのだろうって。