拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

占いの言葉

あなたへ

 

生涯かけて、愛する人と出会うでしょう

 

こんな言葉を目にしたのは、

あなたと結婚する前の年の、年末のことでした。

 

ほら、よくあるでしょ?

インターネットで公開されている無料占い。

来年のあなたの運勢 みたいな。

 

なんとなく開いた携帯サイトのこの言葉に、

あの頃の私は、思わず、首を傾げました。

だって、私はもう、あなたと出会っていたもの。

 

あれからも、私たちは、

順調なままで、一緒に月日を過ごしました。

そうして、あの占いの言葉など、すっかりと忘れ去られた頃に、

私のお腹の中には、あの子が宿りました。

 

元気に生まれてきてくれた小さなあの子を抱きながら、

ふと、思い出した占いの言葉に、

生涯かけて、愛する人とは、この子のことだったのだと、

深く納得したのでした。

超音波画像で確認出来た、12mmだったあの子をみつけた日が、

生涯をかけて、愛する人との出会いの日だったのです。

 

あの時、私は初めて、

本当に当たる占いがあるのだということを知りました。

 

 

あれから、子育てに追われ、日々忙しく過ぎゆく中、

あの出来事さえ、すっかりと忘れてしまっていた私ですが、

先日、ふと、あの占いの言葉を思い出し、考えていました。

 

あなたと私は、やはり、出会うべくして、出会ったのだと。

だって、もしも、私たちが運命ではなかったのなら、

きっとね、

あの年に離れてしまっていたのだと思うのです。

でも、そうではなく、私たちは家族になりました。

そして、

あなたと出会えたから、あの子が生まれて来てくれたのです。

 

ほらね。

やっぱり私たちは、やっぱり運命だったのよ。

 

なんて言ったら、あなたはまた、笑うのでしょうか。

あの頃みたいに。

 

そんなの、こじつけだよって、

そんなあなたの声が聞こえてきそうですが、

こじつけでもいいの。

私が納得しているから。

 

あの頃、小さなあの子を抱きながら、

もう一度だけ、あの占いの言葉が読みたくて、サイトを探してみたけれど、

もう、みつけることは出来ませんでした。

 

たった一度だけ見たことのある、あの言葉は、

月日が経った今では、

あなたと私は、やはり、運命で結ばれているのだと、

納得させてくれる言葉となりました。