拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

あなたの場所

あなたへ

 

ねぇ、あなた

これ、気に入った?

素敵だよね

色合いも、大きさも、高さも、全部、丁度いい

きっと、あなたも、気に入ってくれたよね

 

先日からの私は、

何度、あなたにこんな言葉を掛けたでしょうか。

 

七回忌の法要を、行わないと決断した私たちですが、

節目でもあるこの機会に、

あなたの場所の棚を、新しく、買い換えようと思い立ちました。

 

連日、パソコンに向き合いながら、

あなたの場所の棚探し。

 

大きさも、高さも、丁度よく、デザインも、素敵なものがいい。

だって、これは、あなたへの贈り物なのだから。

 

特に、高さは大切。

あなたの遺影は、私たちが座った時の目の高さと、同じでなくてはなりません。

だって、いつでも、あなたの前に座って、

ゆっくりと、話がしたいもの。

 

数日間掛けて、漸くみつけたのは、

木目調で、落ち着いた色合いの、とても素敵な棚でした。

 

色々な棚を見たけれど、

私が求めるものが全て備わったものは、ひとつだけ。

何度見ても、これしかないと思えたこの棚は、

迷うことなく、購入することに決めたのでした。

 

これなら、絶対に、あなたも気に入ってくれるはず ってね。

 

ちょっと複雑な作りの、組み立て式の棚に、

不安もありましたが、

 

お母さん、ここ押さえてて

今度は、こっちから押さえてて

 

説明書と睨めっこをする私を他所に、

テキパキと棚を組み立てていくあの子。

少しだけ、苦労した場面もありましたが、

写真の通り、素敵な棚が完成しました。

 

そうして、あなたのものを整えると、

想像以上に、素敵な場所になりました。

 

これまで、あなたの場所として使っていた棚は、

あの頃、急遽、準備を整えたものでした。

 

お骨になり、帰って来るあなたの居場所を準備しながら、

私の隣で、一緒に泣いていたのは、

ほんの数ヶ月前まで、ランドセルを背負っていた、

今よりも、ずっと、幼いあの子。

 

ねぇ、あなた

あの子はね

こんなに複雑な棚も、組み立てることが出来るようになったよ

大きくなったでしょ?

 

これまでの棚よりも、二回りほど、広くなって、

想像以上に素敵になったあなたの場所を、あの子と2人で、眺めながら、

お父さんも、きっと喜ぶねって、

そう、話し合いながら、あなたを想いました。

 

あの子が組み立ててくれた棚の上。

居心地は、どうですか。