今年もまた夏が来たよ
待ちわびた青空を見上げながら
空の彼方にいる彼に
夏の始まりを報告する
梅雨明けの太陽が
やけに眩しく感じたのは
ずっと
雨や曇り空ばかりを眺めていたせいだろうか
夏の音を聞きながら
目を閉じると
彼と出会った最初の夏から順番に
夏の記憶を呼び起こした
初めて出会った夏
2番目の夏
3番目の夏
そして
4番目の夏
あの夏は
彼と2人きりで過ごす
最後の夏だった
まだ膨らみのないお腹に
優しく手を当てて
嬉しそうに微笑んだ彼の姿
この子はね
男の子だと思うよ
なんの根拠もないままに
そんな話をする私の声に
優しく頷いてくれた彼の笑顔
夏の音を聞きながら
蘇ったのは
あの夏にいた彼の
たくさんの笑顔と穏やかで幸せな時間
私たちが出会って
4番目の夏は
ふたりで同じことを願っていたね
この小さな命が
元気に生まれてきてくれますようにと