拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

誓いの言葉

あなたへ

 

病める時も

健やかなる時も

富める時も

貧しき時も

妻として愛し敬い

慈しむ事を誓いますか

 

これは、私たちの結婚式の時の、誓いの言葉。

 

あの日、私の右側から聞こえたあなたの声は、

今、思い出しても、なんだか笑ってしまうくらいに、

とても大きな声でした。

 

はい、誓います と。

 

部屋に飾ってある結婚式の写真を、まじまじと眺めながら、

あの日のあなたのことを思い出していました。

 

参列してくれた友人たちと一緒に撮った写真や、

あなたと2人で笑い合う写真。

どの写真も、幸せに溢れた時を切り取った、素敵な瞬間。

 

お気に入りの写真たちは、あの頃よりも、

随分と、色褪せてしまったけれど、

あの日のあなたの声は、

少しも色褪せないままに、私の耳の奥に聞こえました。

 

誓いの言葉は、

 

死が2人を分かつまで

 

そんなふうに続いたけれど、

あなたは、何処にいても、

私を大切にしてくれているような気がしてしまうのは、

あの日のあなたの誓いの言葉が、

とても大きな声だったからなのでしょうか。

 

あなたの隣に並んでいたあの日の私は、

なんだか、緊張してしまって、

とても小さな声で、あなたへの愛を誓いました。

 

とても小さな声だったから、

今のあなたの耳の奥には、

微かな声しか聞こえないのかも知れないと、

急に不安になってしまったのは、

今のあなたが届けてくれるその温もりが、

私が考えていたよりも、ずっと、

深い愛で包まれていることに、気が付くことが出来たからなのかも知れません。

 

だから今、ここに、

もう一度、誓っておきます。

 

私は永遠に

あなただけを

愛することを誓います