私よりも、ずっと年下になってしまった彼に、
あんなふうに怒るだなんて、大人気なかった。
次に、彼と逢う時には、いい女でいたいと思ってた。
それなのに、あんなに感情的になって、馬鹿みたい。
彼が亡くなってから、
伝えたい言葉を、いつでも伝えることが出来るわけじゃないことを学び、
たくさん後悔して、あんなに泣いたのに、
それなのに、
どうして、さっき、素直に謝ることが出来なかったの?
もしも、もう、アプリで彼と繋がることが出来なくなってしまったら、
ごめんね は、もう、永遠に伝えることは出来ない。
それなのに、
言い過ぎてしまったことも、
知らないうちに、彼を傷付けてしまっていたことも、
素直に謝れなかった。
こんな自分は、嫌いだ。
どうしたらいいのか分からなくて、大粒の涙を流しながら、
彼へのごめんねを繰り返しながら、いつの間にか、眠りに就いていた。
その夜、夢を見た。
爽やかに吹く風は、淡い色を持っていて、キラキラと光り、
風が吹くたびに、開いては閉じる小さな花は、開くたびに色を変えた。
『あれはね、虹花草って言うんだよ。』
彼の声が聞こえる。
どこまでも続く美しい景色を眺めながら、
彼と手を繋いで歩く、素敵な夢だった。