あなたへ
あなたの夢を見ました。
あなたのすぐ側で眠る夢でした。
夢の中のあなたと、
何か、言葉を交わしたはずですが、
その言葉を思い出すことが出来ないままに、
とても穏やかな気持ちで、
あなたの側で眠ったことだけを、よく覚えています。
あなたの側は、とても暖かくて、心地良かった。
はっきりとした、あなたのその感触も、温度も、
目が覚めた今でも、よく覚えています。
ねぇ、あなたは、よく眠れましたか。
私は、とてもよく眠れたよ。
あなたの夢から覚めたいつもの私なら、
もう一度、あなたに逢いたくて、
目を閉じてしまうはずなのに、
夢から覚めても、
あなたの大きな温かさに包まれているような、
不思議な気持ちで目が覚めた朝は、
夢の中のあなたを探すことなく、起きることが出来ました。
あの頃のあなたの、
本当の想いを知ることが出来た今の私には、
この世界が、少しだけ違って見える気がします。
あなたを見送ってからの私が、
こんなに不思議な朝を迎えられる日が来るだなんて、
思わなかったよ。