拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

誰にも言えなかった気持ち

あなたへ

 

いつ生まれたのか、

はっきりとした記憶がないままに、

いつの頃からか、私の中には、

もう1人の小さな私がいました。

 

早く、おばあちゃんになりたい

もっと早く、年を重ねて

この人生なんて、早く終わってしまえば良い

 

私の中に生まれた小さな私は、

時々、こんなふうに呟きました。

 

これは、誰にも言えなかった、もう1人の私。

 

あなたの分まで生きて、

あの子の成長を見守るよ

 

泣きながら、そうあなたに誓った私は、

途中で、この人生を終わりにしたいなどとは、

考えることはなかったけれど、

その代わりに、この人生を早回しで送れれば良いと、

時々、こんなふうに考えるようになっていました。

 

きっと、私の中にある様々な不安が、

こんな私を作ってしまったのでしょう。

 

ずっと先の未来を望みながらも、

決して前向きとは言えないこの気持ちが、

時々、顔を出しては、酷く、私を苦しめました。

 

違うよ

そうじゃないよ

 

どんなに否定してみても、

小さな私が顔を出しては、何度も呟いたのでした。

 

早く、おばあちゃんになりたい

もっと早く年を重ねて

この人生なんて、早く終わってしまえば良い と。

 

私の中に、ひっそりと存在していたこんな気持ちを掻き消してくれたのは、

あの子の言葉でした。

 

俺が100歳になるまで生きていてねって。

 

もしも願いが叶うのなら、

あの子が100歳のお誕生日を迎える日を見守りたいと、

改めて目標を立てた私は、

少なくとも、あと81年という月日を生きなければなりません。

 

人生の折り返し地点までもが、まだまだ遠く、

そんな視点から見てみれば、

私など、まだ若造ではないかと、改めて気付かされました。

 

これから、81年間を生きるとしたのなら、

学ばなければならないことも、

学びたいことも、

そして、素敵なことだって、たくさんあるのでしょう。

 

それを早回しで送ってしまうだなんて、

なんて勿体ないことでしょうか。

 

あの子は、こんなに大きくなったんだな とか、

私は、こんなことを頑張ることが出来たんだな とか、

こんな素敵なものを見つけたよ とか、

ゆっくりと歩みながら、

あなたの分まで生きて、

大切なものをたくさん集めていきたい。

 

これが私のこの人生におけるテーマであったはずなのに、

なんて愚かなことを考えてしまっていたのだろうかと反省し、

改めて、あの日のあの子の言葉を思い返しました。

 

あの子の言葉は、私に強い衝撃を与え、そして、

私を苦しみから救ってくれました。

 

あの子の想いを大切に、

私はまたゆっくりと、

大切なものを集めながら、

この世界を楽しんで、生きていこうと、

改めて、思いました。

 

あの日のあの子がくれた言葉は、

私の大切な宝物です。

 

 

 

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