拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

桜の香り

あなたへ

 

幾つかの桜の蕾が花開き、

可愛らしい姿を見せてくれていましたよ

 

こんな手紙を書いたのは、先日のことでした。

 

ここ最近のこちらでは、暖かい日が続き、

桜の景色が美しい時期になってきました。

 

そうだ

あなたにも、桜の香りを届けたいな

 

美しい景色を眺めながら、

ふと、こんなことを思いつきました。

 

早速、買い物に出掛けた私は、まずはお線香のコーナーへ。

先日、チョコレートの香りのお線香を買ったばかりの私ですが、

桜の香りのお線香を、新たに購入しました。

 

いつか、もっと年を重ねたら、

あなたと2人で、桜が咲く土手の上を歩きたかった。

 

あの頃の私の夢は、叶わなかったけれど、

こうして、

そちら側のあなたと、桜の季節を楽しむやり方もあるんだね。

 

今年の私は、

これまでの私が見つけることの出来なかった、

あなたとの新たな過ごし方を見つけました。

 

ねぇ、あなた。

目を閉じて、想像してみて?

 

駅の向こう側、

川沿いの、桜の木が並んだ土手の上。

満開の桜の花を眺めながら、

私たちは、手を繋いで、ゆっくりと歩くの。

 

私たちは、そこで、どんなものを見つけるのだろう。

 

車で通るだけでは、

見つけることの出来なかった新しい景色を見つけて、

私たちはきっと、驚くのよ。

 

こんなところに、こんなものがあったんだねって。

 

あなたが見つけたものと、私が見つけたもの。

きっとね、あなたと過ごすその場所での新しい発見は、

2倍にも、3倍にもなって、

たくさんの素敵なものを見つけるの。

 

少し寒くなってきたね

 

こんな会話をする帰り道には、約束をするのよ。

来年も、再来年も、

きっとまた、一緒に来ようねって。

 

桜の香りに包まれながら、目を閉じて、

あなたと過ごしてみたかった春に想いを馳せてみる。

 

ねぇ、あなた。

とても良い香りのお線香だね。

 

こちらでは、今年も、桜が満開になりましたよ。

 

 

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