拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

ピンク色の蝶々

あなたへ

 

あれ?ピンクの蝶々だ

ピンク色はね、珍しいんだよ

 

唐突に、隣から聞こえたのは、こんなあなたの声でした。

 

あなたの夢を見ました。

それは、あなたと2人で、ドライブを楽しみながら、

ヒラヒラと舞う、ピンク色の蝶々を見つける夢でした。

 

夢の中の私は、何故ピンク色の蝶々が珍しいのか、不思議に思いながら、

その舞う姿を眺めていましたが、

確かに、ピンク色の蝶々は、この世界では見たことがありません。

 

あなたの言う通り、

あの蝶々は、とても珍しい種類のものだったのでしょう。

 

キラキラと輝きを放ちながら舞う、ピンク色の蝶々は、

とても綺麗でしたね。

 

あなたのその姿は見えないままに、2人でピンク色の蝶々を眺める夢は、

とても短い夢でしたが、

とても幸せな気持ちだったこと、よく覚えています。

 

ピンク色はね、珍しいんだよ

 

夢の中のあなたの声を反芻しながら、ふと、

あの蝶は、そちら側の世界の生物なのかも知れないな

なんて、考えてみたりもしました。

 

だって、あんなに綺麗な蝶々は、

この世界中の何処を探しても、きっと、いないもの。

 

あれはきっと、あなたが見せてくれた景色。

 

ピンク色の蝶々がひらひらと優雅に舞うその姿は、

桜の花びらたちが、風に乗って、自由に舞う様子にも似ていましたね。

 

夢の中、あなたと一緒に見た素敵な景色。

ずっと、忘れないよ。