拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

愛しむ

あなたへ

 

愛しむ

 

これは、いとおしむ、いつくしむの他に、

「おしむ」とも読むことが出来るのだそうです。

 

「愛しむ」は、惜しむ、よりも、

愛情が篭った意味合いを表す文字なのだそうです。

 

見つけたばかりの文字を見つめながら、

あの夏のあなたに向けた私の気持ちに、置き換えてみました。

 

あなたの死を愛しむ

 

こう表現してみれば、

何とも言い表すことが出来なかったあの日の私が抱いた感情へ、

より近づいた文字を見つけたように感じました。

 

また、かつて日本人は、「かなし」を、

「悲し」だけではなく、

「愛し」或いは「美し」と書いて「かなし」と読んだそうです。

 

あなたが此処からいなくなってしまってから、

あなたを想い、たくさんの涙を流したけれど、

そこに詰まったあなたへの想いを文字で表現するのなら、

悲しい、ではなく、愛しい、と文字を置いた方が、

そちら側のあなたへ寄せる私の想いに、

最も近付いたように思えました。

 

あなたを見送ってからの私は、

自分の知り得る全ての文字を置いてみても、

そのどれもが当て嵌まらない気持ちがあることを知りました。

 

時に、私が知る限りの最大級の言葉である、

愛していますの言葉でも、伝えきれない想いを見つけたり、

苦しい、悲しいという言葉では、表現出来ない感情を見つけたり。

 

様々に入り組んだ複雑な想いを、上手く表現する術が分からないままに、

あなたへの想いを上手く綴ることが出来ずに、

あなたへの想いを書いては、消して、

ただ、

空を見上げた日もありましたが、

もしも、

そちら側のあなたへの想いを表す最大級の言葉が、

やはり、愛という文字であるのなら、

あなたへ綴る文字たちには、

いつでも、愛を宿らせて、伝えていたい。

 

そちら側のあなたが、いつでも、

この愛で、いっぱいに満たされますように。

 

愛しむ

 

ひとつの言葉でありながら、

そちら側のあなたへの、

たくさんの想いを伝えてくれる言葉を、

漸く、見つけることが出来たのかも知れません。

 

 

 

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