あなたへ
もしも、あの夏の運命が違っていたのなら、
私たちは、あの子の成長を見つめながら、
どんなふうに向き合っていたのでしょうか。
例えば、あの子の反抗期には、
何を話し合い、親として、どんなことを学んだのだろう。
例えば、高校を辞めたいと言われた日には、
私たちは、どんなふうに、あの子の気持ちを受け止めたのだろう。
そして、あの子が将来の夢を見つけた時には、
此処にいるあなたは、どんな気持ちを聞かせてくれたのかな。
もしも今、此処にあなたがいてくれたのなら、
私たちは、どんなふうに、あの子の成長についてを話し合ったのだろう。
例えば、綺麗な景色を見た時、
例えば、何処までも続く青空を見上げた時、
綺麗だねって、
私と同じ気持ちで共感してくれる人は、
この世界に、きっとたくさんいるけれど、
あの子の成長を、私と同じ場所から見ることが出来るのは、
あなたしかいないんだな。
あなたの分まで、あの子の成長を見守るよ
何度も、あなたにそう声を掛けながら、
こんな気持ちを見つけたのは、いつのことだっただろう。
あなたと私。
考え方も視点も違うけれど、
あの子の幸せを、いつでも1番に願っているのは、同じでしたね。
あの子のことが大好きで、
あの子の成長が、何よりも楽しみ。
こんなあなたと私にしか、共有出来ない気持ちが、あるんだなって。
あんなに小さかったのに、
あんなに甘えん坊だったのに、
こんなに大きくなったんだね。
あの時は、大変だったよね。
あの時は、あの子の大きな成長を感じたよ。
あの子のひとつひとつの成長を見つめながら、
今、あなたと一緒に、
振り返ることが出来たのなら、どんな気持ちがするのだろう。
やっぱり、あなたと一緒に、あの子の成長を見守りたかったな。
大きくなったねって、こんな気持ちを、
すぐ側にいるあなたと一緒に、共有していたかった。
あの夏から、時間が経たなければ見つけることの出来ない、
「愛しむ」の気持ちもあるんだね。
今、改めて、感じています。
私は、
本当に大切な人を、失ってしまったんだなって。