拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

あなたの甥っ子

あなたへ

 

あなたを見送り、最初の秋に生まれた、甥っ子が、

今年、小学生になりました。

 

入学先は、あなたが通っていた小学校です。

毎日、元気に、学校へ通っているようですよ。

 

あなたの実家から随分先の、

大きな道路へ出たところからバスに乗っての登校は、

あなたが小学生の頃と変わらないそうです。

 

毎朝、甥っ子をバス停まで送って行くのは、あなたのお母さん。

バスに乗るその姿を見届けながら、そこに、

あなたが小学校に上がった頃の姿を、重ね合わせて、

見守っているのかも知れませんね。

こんな頃もあったなって。

 

あなたが小学生の頃のアルバムを見てみると、

そこには、たくさんの笑顔が並んでいますが、

今は、生徒数が随分と減り、

今年入学した1年生は、10人にも満たない数なのだそうです。

 

生徒数が少ない故に、

毎年、何かの役員になってしまうのだと、

実家のお嫁さんは、笑っていました。

 

小学校での色々な話を聞きながら、思い出していたのは、

いつかのあなたが話してくれた、小学生の頃の思い出でした。

 

バス停から家までの道のりには、

子供にとっての楽しいものが、たくさんあるんだよ

折れた枝とか、虫とか、カエルとかね

 

自然に囲まれたあなたの実家。

幼かったあなたにとって、毎日が新しい発見でいっぱいだったのだと、

こんな話を聞かせてくれたのは、いつのことだったでしょうか。

 

毎日、新しい発見をしながら、

なかなか前には進んでいかない帰り道は、

何時間も掛かってしまうものなのだと、

いつかのあなたは、笑っていましたね。

 

育つ場所が違えば、見てきたものも、こんなに違うのだと、

私が小学生の頃とは、全く異なる時間の過ごし方に、

なんだかとても、不思議な気持ちで、あなたの話に聞き入ったのでした。

 

やがては、甥っ子も、

学校からの帰り道には、様々な自然に触れながら、

毎日、新しい発見をしていくのかも知れません。

たくさんの素敵なものが見つかると良いですね。

 

こちらでは、コロナウイルスの蔓延は、収まることなく、

もう、随分と、あなたの実家へも顔を出すことが出来ていません。

 

記憶にあるのは、幼く、やんちゃな甥っ子の姿ですが、

次に会える時には、

随分とお兄ちゃんになった姿を見せてくれるのでしょう。

その時には、どんな話が聞けるのでしょうか。

 

いつかまた会える日を楽しみに、

私たちも、元気に過ごしていかなければなりませんね。

 

 

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