あれから5年が経ったんだ
あれからの毎年
この時期になると
あの日のことを思い出す
恐らく
あの日の私は
この人生の中で唯一
死に近い場所にいたのだろう
今振り返ってみても
この人生の中で
あれほどに
私が私でなくなってしまった日を知らない
あの時
少しでも何かが違ったら
私はもう此処にいなかったのだろうか
それとも
あの日があったからこそ
私はこうして此処に
前を向き
歩むことが出来ているのだろうか
5月の青い空と暖かな日差し
初夏を思わせるような爽やかな風を感じたら
私は空を見上げながら
あの春の私に
そっとエールを送ることにしている
キミは大丈夫だよ
今も此処にこうして生きているよ
今でも鮮明でありながら
不鮮明な1日を過ごしたキミは
とても頑張ったね
もう大丈夫
キミはちゃんと
生きることを選ぶことが出来たのだから
もう大丈夫だよ
そのまま
ゆっくり歩いておいで
私はあの日のキミを
とても誇りに思っているよ
此処に生きる
未来のキミの言葉たちを
5月の風に乗せて
あの春のキミのところまで届け