あなたへ
今日のこちらでは、朝から雨が降りました。
雨を落とす空を見上げながら、
なんだか、楽しい気持ちになってしまったのは、
ふと、幼い頃の雨の日の楽しみ方を、思い出したからなのかも知れません。
遊具のトンネルの中で、雨宿りという名の遊びをした記憶や、
雨の日の高架下が、お気に入りの場所だったこと。
静かな雨音を聞きながら、何故だか、突然に、
幼かった頃の、楽しかった雨の日の記憶が蘇りました。
雨だから、出掛けたくない
こんな概念が無かったあの頃は、
雨が降れば、傘を差して遊びに行くのが当たり前で、
遊具が雨に濡れて遊べなければ、雨をテーマとした遊びを考えていました。
あの子を育てながら、
子供は、遊びの天才だな なんて、思っていましたが、
子供だった頃の私もまた、遊びの天才だったのだと思います。
もしも今、隣にあなたがいてくれたのなら、
雨を落とす空をふたりで見上げながら、
私はきっと、ふと思い出した、子供の頃に好きだった雨の景色を、
話して聞かせていたのでしょう。
雨の日も、楽しかったよねって。
私が知らない、子供時代のあなたもまた、
遊びの天才だったに違いありません。
隣にいるあなたからは、どんな話が聞けたのでしょうか。
雨音を聞きながら、そっと目を閉じて、
あなたの楽しそうな声を探してみれば、
何故だか、
子供の頃のあなたの無邪気な笑顔が、見えたような気がしました。