拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

釜蓋朔日

あなたへ

 

釜蓋朔日

 

こんな言葉を知ったのは、いつのことだったでしょうか。

 

釜蓋朔日とは、お盆のある月の1日のことで、

その日は、地獄の釜の蓋が開く日とされ、

そちら側の皆様が、お盆に向けて、こちら側へ出発をする日なのだとか。

 

地獄という言葉には、衝撃を受けましたが、

これに関しては、言い間違えの類であると解釈することにしました。

 

あなたがいるそちら側は、地獄と呼ぶには相応しくないような、

美しい景色が広がっている、素敵な場所であるはずですから。

 

さて、そちら側の蓋が開いた今日は、

お盆に向けて、皆が出発する日のようですが、

今頃のあなたはきっと、まだのんびりと、

そちら側で、寛いでいるのではないでしょうか。

 

あの日、龍になったあなたなら、きっとね、

お盆の前日に、あなたが出せる最高速度で、

こちらへ向かうような気がします。

 

あなたの世界はきっと、

法定速度なんてものは、存在しない世界。

 

驚くような速さで、誰も知らないような最短ルートを通って帰ってくるのが、

あなたの毎年の恒例であるような気がしてなりません。

 

ふわふわとした可愛い雲が浮かぶ今日の空を見上げながら、

何故だかふと、そんなあなたらしい姿が、思い浮かび、

なんだか笑ってしまいました。

 

今年のお盆も、とても楽しみですね。

今年は、あなたにどんなものを準備してお迎えしようかと、

今から、ワクワクとした気持ちで、計画を立てています。

 

ねぇ、あなた。

早く逢いたいですね。