私は、あの日、死んだのだ。
最愛の彼と共に。
肉体と、魂の一部だけが此処に残された今の私は、
もう、あの頃の私ではないのだ。
明るくて、楽しいことが大好きで、
嫌なことがあっても、
一晩眠ればすぐに元気になってしまうあの頃の私は、
今思えば、単純で可愛かった。
私は、もう二度と、あんなふうに笑うことは出来ないのだろう。
あの頃と同じように笑うには、辛いことを知り過ぎてしまった。
そう気が付いた瞬間に、
この瞳に映るもの全てが、灰色の世界へと変わっていった。
光も、色もない世界。
それが、これからの私が歩む人生なのだ。
私はもう、元には戻れない。
だってもう、此処に彼はいないのだから。