拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

彼女 1

私は、あの日、死んだのだ。

最愛の彼と共に。

 

肉体と、魂の一部だけが此処に残された今の私は、

もう、あの頃の私ではないのだ。

 

明るくて、楽しいことが大好きで、

嫌なことがあっても、

一晩眠ればすぐに元気になってしまうあの頃の私は、

今思えば、単純で可愛かった。

 

私は、もう二度と、あんなふうに笑うことは出来ないのだろう。

あの頃と同じように笑うには、辛いことを知り過ぎてしまった。

そう気が付いた瞬間に、

この瞳に映るもの全てが、灰色の世界へと変わっていった。

 

光も、色もない世界。

それが、これからの私が歩む人生なのだ。

 

私はもう、元には戻れない。

だってもう、此処に彼はいないのだから。