拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

成人式の前撮り写真

あなたへ

 

ねぇ、あなた見て?

あの子、大きくなったでしょう?

 

こんな私の声は、あなたのところまで届いたでしょうか。

 

先日、あの子の成人式の前撮り写真が届きました。

毎日、毎日、少しずつ成長するあの子の姿を、

すぐ側で見守ってきましたが、

こうして、改めて、写真に納まったあの子の姿を見つめてみると、

なんだか、胸がいっぱいになります。

大きくなったねって。

 

俺ね、成人式には、絶対に袴を着たいんだ

成人式に着なかったら、もう着る機会がないかも知れないじゃん

 

これは、中学生だった頃のあの子の言葉です。

 

新しい朝を迎える度に、

今日もまた、あなたがいない1日に向き合わなければならないのだと、

必死に涙を堪えていたあの頃の私は、

自分にとっての前が、何処であるのかも分からないままに、

何処かへ辿り着かなければならないのだと、

暗闇の中を手探りで歩くように、1日1日を過ごしていたけれど、

あの頃のあの子が何気なく話す言葉は、私に、未来への希望をくれました。

 

成人式を迎える頃のあの子は、どんなあの子なのだろうって。

 

今よりも、ずっと幼い顔をしていたあの子が、成人式を迎える姿は、

あの頃の私には、上手く思い描くことが出来なかったけれど、

中学生だったあの子が、暗闇の中に、

小さな光を灯してくれたこと、今でも、よく覚えています。

 

あれから、毎日少しずつ、成長してきたあの子は、

時に、迷ったり、悩んだりしながら、

自分の道を、力強く突き進むあの子へと成長していきました。

 

今、私の目の前にあるのは、あの頃の私が夢見た未来の一歩手前。

 

これから、秋を迎え、冬になり、新しい年を迎えたら、

あの子は、成人式を迎えます。

 

あなたにも見せてあげたかった景色を、

またひとつ、此処に大切に集めて。