拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

不運の中に感じた幸せ

あなたへ

 

いっってぇぇ!

マジで痛い!

あぁ・・・もう駄目だ

 

これは、昨夜のあの子の声。

テーブルの角に、凄い勢いで脛をぶつけたあの子は、

寝転がって痛がりました。

 

大丈夫?

今のは、痛かったね

 

こんな言葉を掛けながらも、

思わず、こっそりとニヤついてしまったのは、

あの子の痛がるその姿が、

あなたに、とてもそっくりだったからでした。

 

いつでも不意に、あなたによく似たところを見せてくれるあの子ですが、

まさか、こんなところまで、あなたに似ているだなんてね。

 

どこかに体をぶつけた時のあなたが痛がっていた姿に、

ピタリと重なったその姿が可笑しくて、

あの子には、申し訳ないと思いながらも、

あの子の視界に入らない場所で、笑ってしまいましたが、

そんな私に、不運な出来事が起こったのは、その直後でした。

 

なんだか嘘みたいな出来事ですが、

痛がるあの子を、こっそりと笑ってしまった罰だと言わんばかりに、

盛大に肘をぶつけた私は、激痛に耐えられず、思わず呻き声を上げました。

 

脛を押さえて痛がるあの子の隣で、肘を押さえて痛がる私。

2人で存分に痛がった後は、

なんだかとても可笑しくて、あの子と2人で笑いました。

 

とても痛かった筈なのに、あの子と一緒に笑いながら、私が感じていたのは、

とても幸せな気持ちでした。

大変なことも、不安なことも、たくさんあるけれど、

我が家は、とても平和で、幸せだなって。

 

それは、これまでに感じたことのないような、

なんだかとても、不思議な気持ちでした。

 

今、思い出してみても、なんだか笑ってしまうあの場面ですが、

こちらからは、その姿が見えないのを良いことに、

あなたは、すぐ側で、笑って見ていたのでしょうか。

2人で、何をしているの?って。