拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

絵を描きに行った記憶

あなたへ

 

俺が小さかった頃、3人で絵を描きに行ったよね

 

これは、昨夜のあの子の声。

色鉛筆を使う課題に向き合いながら、

あの子は、家族3人で絵を描きに行ったことを思い出していたようでした。

 

スケッチブックとお弁当を持って、絵を描きに出掛けるようになったのは、

あの子が、幼稚園生くらいの頃からだったでしょうか。

 

スケッチブックを待った私たちは、

公園に出掛けることが多かったけれど、

時には、橋がよく見える場所で、その時間を楽しんだこともありましたね。

 

そうそう。

河原でバーベキューをしながら絵を描こうと思いついた、

いつかの夏休みのあの子の絵には、

お腹がいっぱいになったあなたが椅子に座って、

眠っている姿が忠実に描かれていて、笑ってしまいましたね。

 

スケッチブックを持って出掛けよう。

 

ある日突然思い立った私たちの遊び方ですが、

振り返ってみると、我が家の中で、

深く根付いた遊びのひとつとなりました。

 

課題に向き合いながら、

あの頃のことを振り返っていたあの子は、言いました。

 

今の俺が此処にあるのは、

あの頃があったからだなって思うんだよね と。

 

あの子が通う学校では、絵を描く授業がありますが、

短時間で自分の納得のいく絵を仕上げることの出来るあの子にとって、

その授業は、とても楽しい遊びのような授業なのだそうです。

 

あの頃の私たちは、3人で、様々なところへ出掛けながら、

ただ楽しい時間を過ごしていましたが、

あれから何年後かのあの子が、

あの頃のことを、こんなふうに考えながら振り返ってくれたことが、

なんだかとても嬉しく思いました。

 

ただ楽しかった、何気ない時間は、

こんなふうに、ひとつひとつ、

未来へと繋がっていくものなんですね。