拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

3つのマグカップ

あなたへ

 

ただいま

今日も無事に、1日を過ごすことが出来たよ

 

仕事から帰宅すると、あなたに手を合わせながら、先ずは、1日の報告を。

 

それから、あなたと私、2人分のコーヒーを準備するのが、

私のいつもの夕方の過ごし方でしたが、

思えば、ここ暫くの夕方には、いつも3つのマグカップを並べています。

 

あの子の静かな夏休みと、夏休み明けのオンライン授業。

私の帰りを待っていてくれたあの子の分も合わせて、

3人分のコーヒーを一度に準備することが、ここ最近の私の当たり前になりました。

 

思えば、あの夏のあの子はまだ幼く、

あれから数年後の未来のあの子が、コーヒーの味を好むようになるだなんて、

想像も出来ずにいましたね。

 

改めて、あの子の成長を振り返りながら、ふと、気付きました。

 

もしも、あの夏の運命が違っていて、

あなたが側にいてくれる今を過ごす私が此処にいたとしても、

きっとそこには、

今と全く同じ時間が流れているんだろうなって。

 

ねぇ、あなたは、覚えていますか。

 

お茶でいい?

 

コーヒーがいい

 

夢の中での私たちのこんなやりとりを。

 

あの日のあなたの言葉があったから、此処に、

あの頃からの続きのような一コマが存在するんだよ。

 

あの言葉をくれた日のあなたは、もう、

私に、その温もりを与えてはくれなかったけれど、

あれから先の未来の私に、

こんなふうに、当たり前に3つのマグカップを並べる時間をくれたんだね。

 

今、私は、とてつもなく幸せな瞬間を過ごしているんだな。

 

目の前にある当たり前に並んだ3つのマグカップをまじまじと見つめて、

今日の私は、いつもよりも丁寧に、コーヒーを淹れました。

 

私に、掛け替えのない時間をくれたあなた。

ありがとう。

 

 

 

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