あなたへ
大人って言ってもさ
みんな昔は子供だったんだね
これは、先日のあの子の言葉です。
先日の私がふと思い出したのは、
いつかのあなたが話して聞かせてくれた、あなたの幼少期の頃の話でした。
お父さんが小さい頃はね
こんな私の声に、興味深げに頷いていたあの子は、
自分が知らないだけで、親である私たちも、昔は皆、子供だったのだと、
そんな新たな視点を見つけたようでした。
今年の春の頃のあの子は、
親が子供に与える影響は、とても大きなものなのだと思うと、
こんなあの子からの視点を話してくれましたが、
またひとつ、別な視点を見つけたあの子は言いました。
大人だって、間違えることもあるよね
元々は、子供だったのだから と。
あの子の言葉には、時々、ドキリとさせられたり、
我が身を改める機会へと繋げてくれたりと、
なんだか時々、こちらが焦ってしまうような力を感じますが、
今回のあの子の言葉には、
これまでの私の至らなかった点を、寛大に受け止められてしまったような、
そんな気がしてなりませんでした。
いつでも素敵な人間でありたいと、
日々、自分なりの努力を重ねているつもりではありますが、
あの子の言う通り、間違えてしまうことも、たくさんあります。
時々、あの子が見せてくれる凄まじい成長に、
毎度、私は、まだまだなのだと思い知らされながら、
今回もまた、私は日々、成長することが出来ているのだろうかと、
自問自答をする機会を与えてもらったように思います。
あの子の言葉に、更に、身が引き締まる思いと、今回は、もうひとつ。
あの子の言う通り、
元々は、私も、子供であったことを思い出させて貰ったように思います。
私にとってのその時代は、遠い昔のようにも感じてしまいますが、
ほんの少しだけ、視点を変えてみれば、
私が生きて来たこの年数など、
ほんの僅かな時間にしか過ぎないという捉え方も出来るのでしょう。
幼かったあの頃には、難しかったことも、
大人になった今なら、簡単に叶えられるものだってあるのかも知れません。
これまでの自分が培ってきたものを、一旦、隣に置いて、
新たな視点で私の目の前にある物事を眺めてみると、
大人になるにつれて、忘れ去ってしまったことや、諦めてしまったことが、
たくさんあるようにも感じました。
あの日のあの子の言葉は、
無限の可能性を信じていた、幼かった頃の私の、
純粋な気持ちを思い出させてくれたような、
なんだかとても、不思議な気持ちで、
この世界を見つめる機会をくれたようにも思いました。