あなたへ
あんな時もあったな
こんな時もあったなって、
あの子の成長を、ゆっくりと振り返りながら、
そこにいるあなたの姿が、鮮明に蘇りました。
それは、
あの子が生まれた日から、毎日、毎日、
あの子の頬を、そして、あの子の髪を撫でては、
優しく微笑みかけていた、あなたの姿でした。
今日はね、こんなことがあったよ
仕事から帰ったあなたへ、
今日のあの子が、どんなあの子であったのかを話す私の声に、
耳を傾けてくれていた時のあなたは、
本当に楽しそうに頷いてくれました。
それで?それで?って、
時には、身を乗り出さんばかりに、
熱心に私の声を聞いてくれていた時のあなたは、
あの子の成長の小さなひとつひとつを、
その胸の中へと、刻み付けているようにも感じました。
あの子と過ごす時間が、私よりも、ずっと短かったあなたにとって、
私が見た今日のあの子のことを話す時間は、
宝物を集めるような時間であったのかも知れないなって、
今、振り返ってみると、
あの頃のあなたが、どんな気持ちで、
私の話を聞いてくれていたのかが、分かったようにも思います。
あの子の成長を、本当に、楽しみにしていたあなた。
あなたのその胸の中には、
どのくらいのあの子の笑顔が詰まっていますか。
今、あなたの中に、思い浮かぶのは、どんなあの子ですか。
大変なことも、苦労したことも、たくさんあったけれど、
あの子は毎日、私たちを笑顔にしてくれましたね。
生まれた日から、毎日、毎日、
「今が、いちばん可愛い」を更新してきたあの子は、
此処に、その記録を更新し続けています。
私たちの大切なあの子は、
今日も、とても可愛かったよ。