拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

過去世の記憶

あなたへ

 

これまで、全く興味がなかった私が、

瞑想なるものに挑戦してみたのは、先日のことでした。

 

全く別な動画を視聴していた私の目に、

過去世の記憶を辿るという瞑想動画が飛び込んできたことがきっかけでした。

 

色々な世界があるんだなって、興味本位で再生しながら、

聞こえてくる声に耳を傾けてみると、やがて、

ふわりと体が浮くような不思議な感覚がしました。

 

ほんの少し驚きながらも、やがて私は導かれるままに、

過去世なる世界へと足を踏み入れたのでした。

 

私は、見たこともない場所に立っていました。

地面は、コンクリートや砂利ではなく、

どこまでもが土で、所々に石ころが転がっています。

 

自分の足元を見てみると、素足に草履を履いていました。

そこから僅かに視線を上げてみると、着物のようなものを着ている様子。

 

自分の姿が見えないにも関わらず、

私は、まだ若い男性であることが分かりました。

恐らくは、20代になったばかりの頃でしょうか。

 

隣を見ると、同じくらいの年頃の女性が並んで立っていました。

初めて見る女性でしたが、私には、

それがあなたであることがすぐに分かりました。

 

私たちはやがて結婚し、子を授かったようです。

あなたが抱いていたのは、可愛い男の子。

何故だか私には、その子が、

今、此処にいるあの子であることが、すぐに分かりました。

 

子供が生まれ、これからもっとたくさんの幸せが待っているはずだったのに、

私は、戦へ行かなければならなかったようです。

戦いの末、私はそこで命を落としました。

 

あの世界で、地面に横たわった私が最期に見たのは、

青い空と眩しい太陽。

もう、何も考えることすら出来ないまま、その命が完全に尽きるまでの短い間、

私はただ眩しい太陽だけを見つめ続けたのでした。

 

苦労をかけたねぇ

 

過去世なる場所からこの世界へ戻ると、あなたにお線香をあげながら、

思わず独り言を。

 

もしも、私に見えたあの世界が本物であるのなら、

あれからのあなたは、あの子とどんなふうに暮らしていたのでしょうか。

あの頃の私は、あなたとあの子に、何かを遺すことが出来ていましたか。

 

時代が時代です。

幼い子をひとりで育てる毎日は、

私には想像することが出来ないほどに過酷なものであったのかも知れません。

それとも、あなたは、

別の伴侶を見つけて、その方と共に、人生を歩んだのでしょうか。

 

あの世界の中で、私に見えたのは、

その人生の終わりの日までの幾つかの場面でした。

あの後のことを知ることは出来ませんでしたが、

私が居なくなった後のあの世界のあなたとあの子の人生が、

幸せなものであったらいいなと願いました。

 

初めて足を踏み入れた瞑想なる世界の中で見えたあの景色が、

本物であるのかどうなのか、その証拠もなければ、

それを裏付けるような手掛かりも何もありませんが、

私は、あの不思議体験の中に、あなたがいたことに意味を感じました。

 

今、この世界には、もうあなたはいないけれど、

私たちはきっと何度生まれ変わっても、

こうして3人家族として出会うことが出来ているんだろうなって。

 

前世のあなたの夢をみたのは、いつの頃だったでしょうか。

あの時のあなたは男性だったけれど、

今回、初めて体験した瞑想なる世界での姿も、

過去世のどれかの私たちの姿であったのかも知れませんね。

 

きっと、私たちは何度でも、

この世界で出会い、恋をするのよ。

 

興味本位で開いた未知なる世界で、またひとつ、

私たちが運命の相手である確信を拾い集めることが出来たように思いました。

 

 

 

 

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