あなたへ
俺ね、成人式には、絶対に袴を着たいんだ
中学生だったあの子の言葉を、改めて思い出していました。
何色の袴が良いかな
赤も良いし、青も格好良いよね
でも、紫もいいな
こんなふうに、未来を夢見ていたあの頃のあの子は、
今日、その夢を叶えました。
朝から青空が広がり、
天気にも恵まれた中、無事に成人式を迎えることが出来ました。
ねぇ、あなたは想像出来ていましたか?
あんなに小さかったあの子が、
こんなに立派に成長した姿を見せてくれる日が来ることを。
もしも、此処にあなたがいてくれたのなら、
あの子の袴姿に、あなたはどんな顔で笑ったのだろう。
大きくなったね
最高に格好いいよ
おめでとう
袴姿で笑うあの子へ、
あなたと2人分のお祝いの言葉を。
私の言葉に、嬉しそうにしていたあの子の笑顔を、
私は一生、忘れないでしょう。
何処までも青く、澄んだ空を見上げて、
そっと、あなたが笑っている姿を思い浮かべてみました。
ねぇ、あなた。
あんなに小さかったあの子は、今日、成人式を迎えましたよ。
今日のあの子の晴れ姿、
あなたも何処かで見ていてくれたでしょうか。