拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

20歳

あなたへ

 

あの子が生まれた日のことを、覚えていますか。

 

小さかったあの子の温もりを、覚えていますか。

 

あなたが最後に見た12歳だったあの子は、

あなたの胸の中で、

今、どんなふうに笑っていますか。

 

今日の私は、あの夏からのあの子の成長を、

ゆっくりと思い出していました。

 

あれから半年間の12歳のあの子も、

13歳のあの子も、

14歳のあの子も、

15歳のあの子も、

16歳のあの子も、

17歳のあの子も、

18歳のあの子も、

19歳のあの子も全部、毎日、とても可愛かったよ。

 

この子には、いつも笑っていて欲しい

 

あなたが、ただひとつだけ、大切に抱いていたあの頃の夢は叶え続けられ、

あの子は、本当によく笑う子に育ってくれました。

 

いつでもニコニコと笑いながら、

私たちを見上げていたあの子の姿を覚えていますか。

 

あれからのあの子は、毎日、ゆっくりと成長しながら、

やがて、私と同じ目線になり、

気が付けば、あなたの身長を追い越して、

今では、私に視線を下げて、

笑顔を向けてくれるようになりました。

 

あの夏から、随分と成長したあの子だけれど、

どんなに成長を重ねても、

楽しそうに笑うあの子の姿は、あの頃のまま。

何も変わらないよ。

 

もしも、あなたが此処にいてくれたのなら、

今日の私たちは、これまでのあの子の成長を振り返りながら、

どんな話をしたのでしょうか。

 

ねぇ、あなた。

今日が何の日か、覚えていますか。

 

今日は、あの子の誕生日。

 

あんなに小さかった私たちの大切なあの子は、

今日、20歳になりましたよ。