拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

あなた以外に埋めることの出来ない空間

あなたへ

 

不意に襲ってくる空虚さに、こうして向き合うことは、

これで何度目だろう。

 

あなたに手を合わせて、

遺影の中で微笑むあなたの顔を、じっと見つめたまま、

あなたの声を、温度を思い出していました。

 

どんなに上手に笑えるようになっても、

決して、誰にも埋めることの出来ない空虚さを、私の中に見つけては、

胸に手を当てたまま、その空間を確認するのは、

これで何度目になるのだろう。

 

あの夏から、

私の胸の中にポッカリと空いてしまった空間は、

時間と共に、別の何かで埋まっていくのかも知れないと、

そんなふうに考えていたこともあったけれど、

あの夏から何年が経っても、大きさも、形も、少しも変わることなく、

私の胸の中にそれは存在し続けているよ。

 

肉体を持たないあなたは、今、そこにいるのでしょうか。

 

酷く痛む胸の奥に見つけるのは、

いつでも、あなたの笑顔と温もり。

 

不意にあなたを探しては、疼く胸の痛みに手を焼きながらも、

ただ、あなたを想う時間の中には、

愛おしさにも似た感情さえ、見つけてしまうんだ。

 

此処から先へ、どんなに歩んで行こうとも、私はきっと、何度でも、

あの夏のあなたに手を伸ばしてしまうのでしょう。

 

あなた以外に埋めることの出来ない空間に、ただ身を委ねながら、

私は、この先も、

この痛みを大切に抱き締めたまま、歩んで行くよ。