拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

年を重ねる -2022-

あなたへ

 

今日のこちらでは、冷たい雨が降り、

それはやがて雪へと変わっていきました。

 

厚い雲に覆われた空を見上げて、あなたの名前を呼んだ私の声は、

あなたのところまで届いたでしょうか。

 

私はこの世界でまたひとつ、無事に年を重ねることが出来ました。

 

涙の拭い方さえ分からないまま、

ぼやけた視界の中で、

ただ、あなたの温もりだけを探し続けていたあの夏の私は、

あれから、ひとつずつ年を重ねながら、自分のペースで歩めるようになりました。

 

どんなに転んでも、涙を拭いて、

自分で立ち上がる術を身に付けたのは、いつの頃からだっただろう。

 

あなたを見送ってから、8回目の誕生日。

今日の私は、ほんの少しだけ、いつのも日常から離れて、

空から落ちる雪を眺めながら、

静かに、あなたを見送ってから重ねた年の数を振り返りました。

 

4つ年上だったはずのあなたを追い越して、

私は今日、あなたの4つ年上になったけれど、

きっと私は、どんなに年を重ねようとも、

敵わないものをたくさん持ったあなたを目標に、歩んで行くのでしょう。

 

だからきっと、何処かで見ていてね。

 

この年齢の私も、あなたにも見せてあげたい素敵なものを、

たくさん見つけて生きて行くからね。

 

雪を降らす厚い雲の向こう側、

きっといつでも晴れた空を見ているあなたへ。

 

あの夏のあなたの側にいた私は、

今日、あなたよりも4つ年上になったよ。