拝啓、空の彼方のあなたへ

きっと、空に近い場所にいるあなたへ伝えたいこと。手紙、時々、コトバ。    <夫と死別したemiのブログ>

私が見つけた鎧

あなたへ

 

ねぇ、あなたは気付いていましたか。

私ね、あなたを見送ってから、ファンデーションを変えたの。

 

なんとなく、変えてみようと思い立ったのは、

あなたを見送ってから、どれくらいが経ってからだっただろう。

 

このファンデーションに変えた時には、

あまり深くは考えていなかったけれど、

今になって分かったの。

このファンデーションとの出会いは、きっと必然だったのだと。

 

だって、今の私が使っているファンデーションは、

どんなに泣いても、

決して崩れることのない最強のファンデーションなのです。

 

たくさんの涙を流したら、

鏡を覗いて、自分の顔を確認する。

さぁ、しっかりしなきゃって。

 

此処数ヶ月の私は、何度、こんなふうに、

鏡の向こう側にいる自分を見つめただろう。

 

いつも通りの顔であることに安堵して、

日常へと戻った瞬間は、何度あっただろう。

 

今の私にとってのメイクは、鎧と同じなのかも知れません。

 

鎧を纏えば、

涙の跡も、悲しい表情さえも、

誰にも見られたくないものは全て、内側へと隠してくれるの。

だから人前に出る時の私はいつでも、無敵でいられるのです。

 

だからもしも、

陰で泣いている私を見つけてしまっても、心配しないで。

私は大丈夫。

 

私が見つけた最強の鎧が、私を守ってくれるから。

 

どんなに泣いても、

立ち止まっても、

最終的に聞こえる声はいつでも、

強くなりたいって、こんな自分の声。

 

私は、強くなることを望んでいるからきっと、

たくさん泣いてしまうのよ。