あなたへ
私がこの世界を去る最期の瞬間は、
どんな景色を見ているのだろう。
私は最期に、何を思い出すのだろう。
最期に、何を思い出したいのだろう。
あなたを見送ってからの私は、
何度、自分にこんな問いかけをしただろう。
最期に思い出すのは、
大切な人の最高の笑顔と、楽しかったたくさんの思い出。
それから、あなたが持たせてくれたこの夢を叶えて、
今が一番最高だと思える瞬間の気持ちを、もう一度、感じてみたい。
例えば、夢を叶えた瞬間を振り返る時には、
きっとそこへ辿り着くまでの失敗も、
恥ずかしかったことも、そんなの別にどうでも良くて、
そこに大切なのはきっと、
やったのか、やらなかったのか。
挑戦して、失敗することもあるのかも知れないけれど、
それすら、別にどうでも良いのかも知れません。
だって、勇気を持って飛び込んだ先には、
必ず、素敵なものが待っていてくれるはずだから。
例えそれが思っていたものとは違ったとしても、
必ずいつか、あの時、こうして良かったなって、思うものが見つかるのよ。
それよりも、向き合うことから逃げて、
失敗すら出来なかった方が、きっと辛い。
逃げたことに蓋をして、封印出来たとしてもきっと、
その封印が解かれるのは、最期の時。
目を閉じる最期の瞬間になってから思うのかも知れません。
あの時、挑戦すれば良かったなって。
それなら、
私は、挑戦して良かったなって思いたい。
未知なる世界へ、思い切って飛び込んだ時の気持ちを感じてみたい。
この世界を去る最期の瞬間は、
此処で集めた大切な宝物を全部抱きしめて、
目を閉じたい。
あの時も、あの時も、全部楽しかった。
全部良かったって、心からそう思いながら、この世界を後にしたいと思いました。
どう生きたい?
最期の瞬間に、何を振り返りたい?
あなたを見送ってからの私は、
何度こんなふうに、自分に問い掛けてきただろう。
ゆっくり、ゆっくりと歩みながら、時間を掛けて、
漸く、私の納得出来る答えを見つけました。
ねぇ、あなた。
私ね、大きな一歩を踏み出すことに決めたよ。
ほんの少しだけ怖いけれど、
でも、とてもワクワクしちゃう今のこの瞬間も、
きっとね、
あの時、良かったなって、そう振り返る瞬間になるのでしょう。